病気やケガに備えるために契約する医療保険は、どのような考え方や手順で選べばよいのでしょうか?医療保険の種類、保障、契約条件などの選び方を解説します。

医療保険の種類の選び方

民間の保険会社で販売されている医療保険には、さまざまな種類があります。
病気やケガに備える医療保険の中でも、終身医療保険や定期医療保険といった保険期間が違う商品、女性特有の病気に備える女性保険(女性医療保険)などがあります。自分のニーズに合う保険はどんな保険なのだろうと迷ってしまいますよね。

医療保険を選ぶときは、まず保険期間と保険料払込期間について理解して、ニーズに合った自分の医療保険はどのタイプなのか判断することから始めましょう。

終身医療保険

保障が一生涯にわたって続く医療保険です。主に、病気やケガによる入院・手術などへの保障をずっと確保したい場合などに検討します。

終身医療保険に契約する場合は、保険料を一生涯払い続ける方法(終身払い)と、60歳または65歳など保険料払込期間を設定する方法(有期払い)のどちらかを選べます。

同一条件で比べた場合、一般的に保険料が安くなるのは、終身払いです。有期払いは、終身払いに比べて保険料は高くなりますが、老後の保険料の負担を抑えたい方におすすめです。

定期医療保険

一定期間保障が続く医療保険です。主に、特定の期間に保障を確保したい場合などに検討します。

契約時に10年・20年・30年などの保険期間を選びますが、保険期間が終了しても更新手続きすれば同じ保障を継続できます。その際、更新時の年齢で保険料を再計算しますので、同じ保障でもそれまでより保険料が高くなります。

保険料払込期間は、保険期間と同じです。

一般的に、定期医療保険は、保険期間が10年などのように短い一定期間のため、終身医療保険と同一条件で比較して契約時の保険料が割安となる場合がほとんどです。

一方、終身医療保険は、保障が一生涯続くため、契約時の保険料は定期医療保険に比べると高くなりますが、保険料は契約時のまま、上がりません。

終身医療保険と定期医療保険の保険料イメージ

女性保険(女性医療保険)

女性向けの医療保険です。女性特有の病気やがんなどへの保障が上乗せされるのが一般的です(女性特有ではない所定の病気が対象になる場合もあります)。乳がんや子宮頸がんといった女性特有の病気や、妊娠・出産に関わる所定の入院・手術への備えを手厚くしたい場合などに検討します。

女性医療保険のイメージ(入院給付金日額が上乗せされる場合)

ポイント

  • 一般的に、定期医療保険は終身医療保険と比較して契約時の保険料が割安となる場合がほとんど。更新時には保険料が高くなる
  • 終身医療保険は、保障が一生涯続くため、契約時の保険料は定期医療保険に比べると高くなるが、保険期間を通じて保険料は上がらない
  • 女性の方は、女性特有の病気やがんなどへの保障が上乗せされる女性保険(女性医療保険)の検討も可能

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医療保険の基本的な保障の種類

医療保険には、主に病気やケガによる入院や手術などへの保障が含まれています。基本的な保障(主契約)に、ニーズに応じてさまざまな特約を付加できるものが多く、主契約および特約の内容や選択肢、組み合わせは各保険会社・各医療保険商品によって異なります。主契約としては、入院保障や手術保障が含まれていることが一般的です。

入院保障(入院給付金)

入院保障は、入院1日あたりの入院給付金をいくつかの選択肢の中から選ぶものがほとんどです。病気やケガで入院をしたときに、契約時に設定した入院給付金日額×入院日数分を受け取るタイプや、一時金で受け取るタイプもあります。
では、1日あたりいくらの入院給付金があればよいのでしょうか。

入院すると、公的医療保険の自己負担分に加えて、食事代や差額ベッド代、見舞いに来る家族の交通費など、公的医療保険の対象とならないお金がかかるものです。入院給付金日額を考える際には、公的医療保険でまかなえない費用も考慮し、足りない部分を補うようにしましょう。

30日間入院した場合に必要となる1日あたりの自己負担額は約11,000円。医療費の自己負担額が約3,000円(※1)、食事代1日3食が1,470円(※2)、差額ベッド代が平均6,714円(※3)。※1医療費が100万円かかった場合の高額療養費給付後の自己負担額(70歳未満で年収約370〜約770万円の方)8万100円+(100万円-26万7,000円)×1%=8万7,430円、※2出典:全国健康保険協会 令和6年6月「入院時食事療養費」、※3出典:厚生労働省 令和6年7月「中央社会保険医療協議会 総会(第591回)主な選定療養に係る報告状況」

差額ベッド代とは

差額ベッド代とは、ご自身の希望で個室などに入院した場合、公的医療保険が適用されず、自己負担する室料のことです。

差額ベッド代の平均は1日あたり6,714円です。食事代の1,470円と合わせると約8,000円かかります。療養中は個室や少人数の部屋で過ごしたい方や、貯蓄で医療費を賄うのに不安がある方は、入院給付金日額は8,000円を目安にするとよいでしょう。

平均的な1日あたりの差額ベッド代は個室利用になると、1日あたり8,437円、2人部屋が3,137円、3人部屋が2,808円、4人部屋が2,724円かかります。全体の平均額は6,714円

出典:厚生労働省 令和6年7月「中央社会保険医療協議会 総会(第591回)主な選定療養に係る報告状況」

手術保障(手術給付金)

手術保障は、入院給付金日額をベースにして決められるのが一般的です。入院給付金日額に手術の種類に応じた給付倍率(10倍、20倍、40倍など)を乗じたものと、一律10万円というように、定額にしたものがあります。

例えばライフネット生命の医療保険では、公的医療保険の対象となる入院を伴う手術をした場合、一律で入院給付金日額の10倍の金額が支払われます(一部免責となる手術もあります)。また、公的医療保険の対象となる入院を伴わない手術でも一律で入院給付金日額の5倍が支払われます。

手術給付金が支払われる手術は、「公的医療保険の対象となる手術」か「保険会社が指定している手術」のどちらかです(一部併用される手術もあります)。

自分が入っている医療保険はどちらの種類が対象かな?保険会社が指定いる88種類。公的医療保険に連動している約1,000種類

入院を伴う手術でないと、手術給付金が支払われない商品もあるため注意してください。手術給付金の支払対象については、商品によって大きく異なります。よく調べて契約するとよいでしょう。

ポイント

  • 入院給付金日額を考える際には、公的医療保険で賄えない費用も考慮し、足りない部分を補うように
  • 療養中は個室や少人数の部屋で過ごしたい方や、貯蓄で医療費を賄うのに不安がある方は、入院給付金日額は、8,000円を目安に
  • 手術給付金の支払対象については、商品によって大きく異なるため、よく調べて契約する

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医療保険を検討する際のポイント

保険期間、保険料払込期間、給付金額などが決まったら、その医療保険の細かい条件も確認しておきましょう。

日帰り入院から保障されるか

医療技術の進歩などにより、入院期間は短期化傾向にあります。日帰り入院を含む5日以内の入院は全体の約40%を占めています。日帰り入院からしっかり保障される医療保険にしておくと、安心ですね。

在院期間の構成割合。5日以内の入院は全体の約40%:日帰り入院が3.4%、1~3日が26.3%、4日が5.4%、5~10日が24.4%、11~19日が15.5%、20~29日が8.0%、30~60日が9.4%、61日以上7.5%、不詳が0.1%

出典:厚生労働省「令和2年患者調査」

入院の支払限度日数は何日か

医療保険では、病気やケガで入院したとき、1回の入院につき60日まで、または120日までといった「1入院における給付金の支払限度日数」が決まっています。この場合の「1入院」とは、通常「一定期間以内の同じ病気による入院」を指すので、退院後日数をあけずに再入院した場合は、どちらも合わせて1入院としてカウントされます。

入院日数の通算の例(1入院における支払限度日数が60日の場合)

一般的には、退院の翌日から180日経過した後に開始した入院については、新たな入院とみなされます。入院期間は短期化の傾向にあり、「支払限度日数」が短くなるほど保険料は安くなります。保険料を少しでも抑えたい人は短い期間のものを選ぶとよいでしょう。
ただし、長期間の入院に備えたい、頻繁な入院に備えたいといった場合には、1入院の支払限度日数が長いタイプを選ぶとよいでしょう。
3大生活習慣病(悪性新生物(がん)・心疾患・脳血管疾患)になった場合は、病気やケガに比べ、入退院を繰り返したり入院が長期化したりする傾向があります。商品によっては、3大生活習慣病で入院した場合の支払限度日数が無制限になるものもあり、手厚く備えたい方におすすめです。

3大生活習慣病の平均在院日数。悪性新生物(がん)※:19.6日;再発し、再入院を繰り返すことも。心疾患:24.6日;症状悪化により入院を繰り返すことも。脳血管疾患:77.4日;約3か月の長期入院。※保障の対象となるがんは約款所定の悪性新生物をいい、上皮内新生物や異形成等は含まれません。

出典:厚生労働省「令和2年患者調査」

ポイント

  • 医療保険を検討する際は、日帰り入院も支払対象か確認
  • 支払限度日数を選ぶときは入院期間が短期化傾向にあることをふまえて検討を
  • 医療保険の主契約で代表的なものは入院や手術に関する保障

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病気・ケガにより手厚く備えたい場合の考え方

入院や手術に加えて、特定の疾病に手厚く備えたい場合は、その目的に合わせて保障をプラスするのもよいでしょう。ただし、その分保険料は高くなりますので、家計とのバランスも重視することが大切です。

女性特有の病気のリスクに備えたい場合

女性は、妊娠や出産の際に入院や手術が必要になったり、子宮や卵巣などの女性特有の病気になったりすることがあります。このようなリスクに備え、保障を手厚くしたい場合には、女性保険(女性医療保険)など女性専用の医療保険で備えるのもよいでしょう。

女性医療保険のイメージ(入院給付金日額が上乗せされる場合)

がんのリスクに備えたい

がんになった場合には、入院・手術後にも抗がん剤治療を続け、継続的に治療費がかかることがあります。また、がん治療の影響で外見に変化が生じたときに、ウィッグや下着などによるアピアランスケアが必要になる場合もあります。診療以外のこうしたお金がかかることも想定されます。

また、治療中は以前のようには仕事ができず、休業や退職などによって収入が減少する心配もあるでしょう。さらに、入院時の差額ベッド代や通院のための交通費や宿泊費、紹介状や給付金請求のための書類作成費用、諸雑費など、治療費以外にも思わぬ費用がかかることがあります。がんのリスクに備えたい場合は、このような経済的な心配を少しでも減らすことができるよう、がんと診断されたときに、まとまったお金が受け取れる保障を医療保険につけられると安心です。

がん保障の活用イメージ。がんの治療全般に:病院へ交通費などにも。治療中の生活費の補てんに。術後のケアに:ウィッグの購入など

診断時だけではなく、がん治療を受けたときにも給付金を受け取ることができるタイプもあります。がん治療は発見時の部位やステージによっては、長期にわたるケースもあるため、継続して給付を受けられるとより安心感を得られます。

先進医療にかかるお金に備えたい

公的な医療保険の対象とならない先進医療にかかるお金は全額自己負担となります。どのような先進医療を受けるかによって、技術料も大きく異なります。

ただし先進医療も有効性や安全性が十分に確認され、保険適用の必要性が高いと判断された場合には、公的医療保険の対象となる場合もあり、状況は常に変化します。医療技術や医療機関、対象となる疾病には一定の制限があります。そのことを理解した上で、先進医療の保障を付加するとよいでしょう。

先進医療にかかる技術料例

先進医度技術 技術料(1件当たり平均額) 平均入院日数 年間実施総件数
陽子線治療 271万6,016円 17.9日 1,663件
重粒子線治療 313万3,672円 5.6日 1,008件

出典:第71回先進医療会議 平成30年度実績報告をもとに算出

ポイント

  • 入院や手術に加えて、特定の疾病に手厚く備えたい場合は、その目的に合わせて保障をプラスするとよい
  • 女性特有の病気やがんへのリスク、先進医療のお金に手厚く備えることもできる

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Q&A

民間の医療保険はどんな人に必要ですか?

公的医療保険制度ではカバーできない医療費などの負担に備えたい場合に検討しましょう。公的医療保険が適用される医療費の自己負担割合は1~3割で、1ヶ月にかかった医療費の自己負担額が所定の限度額を超えた場合には、超えた金額が高額療養費として支給されます。さらに負担を抑えたい場合や、自費診療や差額ベッド代といった公的医療保険が適用されない費用に備えたい場合などに、医療保険を活用できます。

年代によって、医療保険の選び方は変わりますか?

病気・ケガで入院・通院をする割合は年代によって異なります。また、公的医療保険の自己負担割合や高額療養費による給付の仕組みは年齢や所得によって変わります。加えて、医療保険の保険料は年齢に応じて定められていますので、民間の医療保険に対する考え方は年代によって変わるのが一般的です。年齢を重ねるにつれ病気・ケガの経験をすることで、健康状態を理由に申し込める医療保険の選択肢が限られる可能性もあります。そのため、保障の選択肢が多い方がよい場合は、健康状態が良い時期に検討すると安心です。また、公的医療保険でカバーできる費用は、年齢や所得に応じて異なります。窓口で支払う自己負担の割合や高額療養費制度で払い戻される金額を確認しておきましょう。

まとめ

医療保険を選ぶ際に大切なのは、どんなことに備えたいのかという目的をはっきりさせることです。保障内容は手厚くするほど安心ですが、その分保険料も高くなります。自分にとって何が一番必要なのか、得たい保障の優先順位を考えましょう。
ライフネット生命の医療保険には、入院・手術に備えるエコノミーコースと、がんや先進医療もカバーできるおすすめコースがあり、ニーズに合わせて2つのコースから選ぶことができます。
保険期間についても、終身医療保険と定期医療保険の2つから必要に合わせて選ぶことができます。また、女性特有の病気に手厚く備える女性保険(女性医療保険)もあるのでぜひチェックしてみてください。保険料見積りから、商品情報もご確認いただけます。

エコノミーコース。入院と手術に備えるシンプルな保障内容 おすすめコース。がんや先進医療に備える充実した保障内容

※ここでの説明は、あくまでも概要です。必ず「ご契約のしおり」と「約款」をご確認ください。

必要な生命保険を知ろう

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