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外貨建て保険とは?米ドル建て・ユーロ建てなどの生命保険の仕組みを解説

円安・円高の影響や税金についても確認

外貨建て保険とは?生命保険の仕組みを解説

ファイナンシャルプランナー 加藤 梨里
マネーステップオフィス株式会社代表

外貨建て保険は、保険料の払込みや保険金・年金・解約返戻金などの受取を米ドルやユーロなどの外貨で行う生命保険です。高い予定利率などを期待できる一方で、為替変動リスクや金利変動リスクなどの影響を受け、元本割れのリスクも伴います。商品の仕組みやリスクを十分に理解して検討することが大切です。

更新日2026.09.11

掲載日2026.09.11

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保険料を米ドルやユーロなどの外貨で払込み、保険金・年金・解約返戻金などを外貨で受け取れる生命保険は、一般的に外貨建て保険と呼ばれます。終身保険・養老保険・個人年金保険など、貯蓄型の保険が中心で、保険料の一部が外貨で積立、運用されます。通貨分散の効果や高い予定利率を期待できる一方で、為替変動リスクや金利変動リスクなどの影響を受けるため、元本割れのおそれに十分に留意する必要があります。

外貨建て保険の仕組みとメリット・注意点(デメリット)などを理解しましょう。

外貨建て保険とは?仕組みと種類

保険料の払込みや保険金・年金・解約返戻金などの受取を米ドルやユーロなどの外貨で行う生命保険のことを、一般的に「外貨建て保険」と呼びます。外貨建て保険は、通貨や商品の仕組みの違いなどにより、いくつかの種類に分けられます。

外貨建て保険の仕組み

外貨建て保険は一般的に、保険料を米ドルやユーロなどの外貨で払い込み、保険金・年金・解約返戻金などを外貨で受け取れる生命保険です。終身保険・養老保険・個人年金保険など、貯蓄型の一部商品に外貨建てのものがあり、主に死亡保障や資産運用を目的に活用できます。

一部には、保険料の払込みや保険金などの受取を日本円でできる商品もあります。しかし通常、円建ての貯蓄型の生命保険と違って、保険料払込から保険金などの受取時までの間には、払い込んだ保険料の一部が米ドルやユーロなどの外貨で積立、運用されています。このため一般的に、保険料の払込時には日本円から外貨へ、保険金などの受取時には外貨から日本円への交換が必要になる場合が多いです※。また、運用中の資産の日本円ベースでの評価額は、為替相場の動向によって常に変動します。為替レートによっては、保険金などの受取額の円換算額が、払い込んだ保険料の総額を下回り、元本割れすることがあります。(為替変動リスクについては、第3章で詳しく説明します。)
※外貨払込、外貨受取の場合を除く。

外貨建て保険の仕組みのイメージ。契約者から保険会社へ保険料払込みが行われ、保険会社はそれを外貨で運用します。その後、保険会社から受取人へ受取りが行われる資金の流れを示しています。※一部には、保険料の払込みや保険金などの受取りを日本円でできる商品もあります。

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外貨建て保険の種類(通貨別)

外貨建て保険は、保険料の払込みや運用時に用いる通貨の違いによって種類を分けることができます。国内では現在、主に米ドル、ユーロ、豪ドル建ての保険があります。複数の選択肢から、通貨を指定できる商品もあります。

米ドル建て

米国のドル建ての保険です。外貨建て保険のなかでは、米ドル建て専用の商品、または米ドルを指定できる商品が多いようです。

ユーロ建て

ユーロ建ての保険です。一般的に、米ドルや豪ドルなども含めたラインナップのなかからユーロを指定できる仕組みになっています。

豪ドル建て

オーストラリアのドル建ての保険です。一般的に、米ドルやユーロなども含めたラインナップのなかから豪ドルを指定できる仕組みになっています。

外貨建て保険の種類(商品別)

外貨建て保険には、終身保険や養老保険など、保険の仕組みにもいくつかの種類があります。

終身保険(終身死亡保険)

死亡保障が終身にわたって続く保険です。保険加入後には原則として時期にかかわらず、死亡時または所定の高度障害状態に該当したときに保険金が支払われます。また、満期はありませんが、将来の保険金支払に備えて払い込んだ保険料の一部が積み立てられます。そのため、保険期間の途中でも、保険料払込期間満了以後など一定期間経過後に解約すると、解約返戻金を受け取れる場合があります。

外貨建て終身保険のイメージ。縦軸を金額、横軸を保障期間とし、契約から払込満了(有期払いの場合)まで更新なしで進む過程。保障期間中は一定の死亡・高度障害保障があり、解約返戻金が時間の経過とともに増加します。払込満了(有期払いの場合)後も保障が継続します。右上に「保障が一生涯続く」との記載があります。

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養老保険

養老保険は、死亡保障と貯蓄機能を兼ね備えた保険です。保険期間中に死亡または所定の高度障害状態に該当したときには、死亡保険金・高度障害保険金が支払われます。一方、死亡や高度障害状態などに該当せずに満期を迎えたときには、死亡保険金と同額の満期保険金が支払われます。商品によっては、満期保険金を年金形式で受け取れるものもあります。

契約から満期まで、保険料払込期間と保障期間が続く中での各金額の推移。死亡保険金は期間を通じて一定。払込保険料累計額は直線的に増加し、満期保険金は死亡保険金と同額。解約返戻金は曲線を描いて増加し、期間の後半で払込保険料累計額を上回る様子を表しています。

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個人年金保険

個人年金保険は、老後資金への備えとして払い込んだ保険料の一部を積み立て、所定の年齢から一定期間または終身にわたって年金を受け取れる保険です。外貨建ての場合は、積み立てたお金が米ドルなどの外貨で運用され、将来に受け取る年金の原資になります。年金を受け取るときには、契約時に指定した通貨または日本円で受け取ります。

年金の受取方法は主に、5年や10年などの一定期間に受け取る確定年金か、被保険者が生存中に受取を続けられる終身年金があります。

外貨建て個人年金保険のイメージ。契約日から年金支払開始日までの保険料払込期間中、外貨建ての保険料を積み立て、死亡給付金額(指定通貨建)や解約返戻金額、年金原資額(指定通貨建)が推移する様子。年金受取方法は確定年金と終身年金があります。※図は、平準払いのイメージです。一時払いの場合は、一部の仕組みが異なります。※円貨払込みの商品の場合、為替相場の変動により外貨建の保険料は変動します。※$のマークは外貨を表しています。ライフネット生命作成

そのほか

ほかに、被保険者の死亡時や所定の高度障害状態に該当したときに家族などの受取人に年金が支払われる保険や、要介護状態や所定の認知症に該当したときの保障が付いた終身保険、がん(悪性新生物)・心疾患・脳血管疾患など特定の病気への保障が含まれた終身保険を扱っている保険会社もあります。

また、保険料の一部を積み立てて株式や債券などで運用することで、運用実績に応じて保険金額や解約返戻金などの額が変動する「変額終身保険」や「変額個人年金保険」を扱っている保険会社もあります。

外貨建て保険の保険料払込方法

外貨建て保険の保険料の払込方法は、大きく分けて平準払いと一時払いなどがあります。

平準払い

月払い、半年払い、年払いなど、保険料払込期間中に定期的に保険料を払い込む方法です。外貨建て保険の場合、払込通貨が外貨で設定されているものと、日本円で設定されているものに分かれます。

一時払い・全期前納払い

保険期間全体の保険料をまとめて1回で払い込む「一時払い」を選択できる外貨建て保険もあります。運用性を重視した外貨建て保険では、選択できる払込方法が一時払いのみというものもあります。また、保険期間全体の保険料をまとめて保険会社に預け、年1回、半年毎、毎月など本来の払込時期になると保険料が充当される「全期前納払い」を選択できる場合もあります。

ポイント

  • 外貨建て保険は、保険料の払込みや保険金などの受取を米ドルやユーロなどの外貨で行う生命保険
  • 外貨建て保険は主に、終身保険、養老保険、個人年金保険などの種類に分けられる
  • 外貨建て保険の払込方法には、平準払いのほか一時払いや全期前納払いなどを選択できる場合がある

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外貨建て保険のメリット

外貨建て保険には、どのようなメリットがあるのでしょうか。主なメリットを確認しましょう。

資産運用において通貨の分散ができる

外貨建て保険の多くは本来、死亡保障などのある生命保険ですが、資産運用の一つとしても活用できる貯蓄型の保険です。資産運用をするときには、値動きが異なる複数の資産に分けて投資をする「分散投資」をすることで、価格変動などのリスクをある程度抑え、安定的な運用を目指すことができます。分散投資には、資産の種類を分ける資産分散や投資時期を分ける時間分散などがありますが、運用する通貨を分ける「通貨の分散」という方法もあります。外貨建て保険に契約することで、日本円以外の通貨でお金を運用できるため、通貨を分散することができます。

高い予定利率を期待できる

2026年1月現在、米ドルやユーロなどは日本円に比べて金利が高くなっています。生命保険の保険料は、保険会社が資産運用によって見込める運用収益の分が「予定利率」によって割り引かれています。例えば、円建ての生命保険の予定利率は通常、10年満期の日本国債などの利回りを参考に設定されています。一方で、米ドル建ての生命保険の予定利率は一般的に米国債などの利回りが参考にされています。

利回りの高い通貨で運用する外貨建て保険では、積み立てたお金を高利回りで運用できると見込めるため、円建ての保険に比べて予定利率が高い傾向があります。その結果、保険金額や年齢・性別などの条件が同じ保険に契約するときには、外貨建て保険の保険料は円建てに比べて割安に設定される傾向があります。

また、外貨建て保険のなかには、積み立てたお金に「積立利率」が付き、将来受け取る保険金や給付金が変動するものがあります。積立利率も、運用する通貨の金利相場に応じて変動するものが多く、外貨建て保険では円建てで積立利率が付く保険に比べて高い傾向があります。

各国の長期金利の推移を示す折れ線グラフ。2025年1月から7月までの期間において、英国(10年債)と米国(10年債)が4%〜5%台の水準で推移。ドイツ(10年債)と日本(30年債)が2%〜3%台、日本(10年債)が1%台で推移しており、英国や米国が日本(10年債)と比較して高い金利水準を維持している傾向を示しています。

出典:内閣府「令和7年度 年次経済財政報告」

※図は、主要国の過去の長期金利(国債の利回り)の推移を示したもので、外貨建て保険の予定利率や積立利率を保証するものではありません。各商品の利率の詳細は各保険会社にご確認ください。

契約後に円安に動いた場合、為替差益を得られる可能性

外貨建て保険の保険料の一部は、指定した通貨で運用されています。このため、将来に受け取る解約返戻金や保険金の円換算額は、受取時の為替レートに応じて変動します。外貨ベースでの受取額は変わらなくても、保険料を払い込んだときよりも円安になれば、円換算した金額は為替差益により増える可能性があります。

例えば、保険金額が10万米ドルの場合、為替レートが1米ドル=100円であれば円換算額は1,000万円です。円安になり、1米ドル=120円になると、円換算額は1,200万円になります。

為替レートと外貨建て保険の保険金額の関係イメージ(保険金額が10万米ドルの場合)。1米ドル=100円で保険金の円換算額は1,000万円。円安の1米ドル=120円では1,200万円に増加し、円高の1米ドル=80円では800万円に減少する変動の仕組みを図示しています。※為替手数料は考慮していません。

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保険料払込時に円高だと、外貨建て保険料の円換算額を抑えられる

平準払いの場合には、毎回の保険料払込時の為替レートによって、外貨建ての保険料を払い込むために必要な円換算額が変わります。円高のときには、同額の外貨を払い込むために必要な円換算額を抑えることができます。

また、保険料が日本円で設定されている場合には、払い込む保険料の額は為替レートが変動しても一定で変わりませんが、外貨建て保険の貯蓄部分に積み立てられる外貨の金額は変動します。円高になると、日本円での保険料の金額は同じでも、積み立てられる外貨額が多くなります。

ポイント

  • 外貨建て保険を活用すると、日本円以外の通貨で資産を保有でき、通貨分散が可能
  • 外貨建て保険の予定利率や積立利率は、一般的に円建ての貯蓄型保険に比べて高い傾向がある
  • 契約時よりも円安になれば、外貨建ての保険金額の円換算額が高くなり、為替差益を得られる可能性がある

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外貨建て保険の注意点(デメリット)

外貨建て保険には、どのような注意点(デメリット)があるのでしょうか。為替の影響を受けるため、円建ての貯蓄型保険に比べて仕組みが複雑で、リスクが高いといわれます。なかには、「やってはいけない」、「危険」といったイメージを持つ人もいるようです。外貨建て保険の注意点(デメリット)を確認してみましょう。

契約後に円高に動いた場合、為替差損となる可能性(為替変動リスク)

外貨建て保険の保険金などは通常、外貨で設定されているため、円換算額は為替相場に応じて常に変動します。契約後に円高になった場合には、外貨から円換算した保険金額や解約返戻金額などが払込保険料の総額を下回り、元本割れすることがあります。

例えば、保険金額が10万米ドルの場合、為替レートが1米ドル=100円であれば円換算額は1,000万円ですが、円高になり1米ドル=80円になると、円換算額は800万円になってしまいます。

この「為替変動リスク」は、円建ての貯蓄型保険や預金にはないリスクですので、十分に理解しておくことが重要です。

為替レートと外貨建て保険の保険金額の関係イメージ(保険金額が10万米ドルの場合)。1米ドル=100円で保険金の円換算額は1,000万円。円安の1米ドル=120円では1,200万円に増加し、円高の1米ドル=80円では800万円に減少する変動の仕組みを図示しています。※為替手数料は考慮していません。

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外貨建て保険のうち、一部の個人年金保険では「為替ターゲット機能」などが付いており、あらかじめ設定した為替レートと同一または円安になったときには年金などを日本円で受け取り、円高になった場合には外貨で据え置けるものもあります。このような機能により、為替変動リスクの影響をある程度抑えられる場合があります。

払込保険料額が毎回変わる可能性(平準払いの場合)(為替変動リスク)

外貨建て保険の保険料は、商品や特約の有無により、外貨で設定されている場合と、日本円で設定されている場合があります。

外貨で設定されている場合でも、国内の外貨建て保険の多くには「保険料円入金特約」などの付加が可能で、日本円で保険料を払い込むことができます。しかし、あらかじめ外貨を保有していない場合には、保険料を払い込むために日本円から外貨への交換(両替)が必要です。一時払いの場合には払込みは一度のみですが、平準払いの場合には複数回にわたって払い込むため、外貨建ての保険料の金額は「月200ドル」などと一定でも、円換算した金額は毎回変わります。保険料払込時に円安だと、外貨建ての保険料は変わらなくても、外貨に交換するためには多くの日本円が必要になります。

保険料が円建てで設定されている場合には、「月2万円」など、払い込む保険料の金額は為替レートが変動しても一定で変わりません。しかし、保険料のなかから外貨建て保険の貯蓄部分に積み立てるお金を外貨に交換するため、外貨に換算された金額は為替レートに応じて毎回変動します。円安のときには、円建ての保険料は一定でも、積み立てられる外貨額が少なくなります。

金利変動リスク

外貨建て保険の予定利率や積立利率は、市場金利の動向によって変動します。このため、保険料の割安性や、積立利率により将来受け取る保険金や給付金が変動するリスクがあります。

また、外貨建て保険の多くには、債券など運用対象となっている資産の価格変動を解約返戻金などに反映させる「市場価格調整」という仕組みがあります。保険を契約したときと解約返戻金などの受取時の市場金利を比較し、金利が高くなった場合には解約返戻金などの受取額が減少し、低くなった場合には増加します。したがって、契約時よりも金利が上昇した場合には、解約返戻金額などの金額が払い込んだ保険料の総額を下回り、元本割れするリスクがあります。

これは、市場価格調整に反映される債券価格が金利の動向に応じて変動する「金利変動リスク」によるものです。一般的には市場金利が高くなると債券価格が下がり、金利が低くなると債券価格が上がります。この債券価格の変動が、外貨建て保険の解約返戻金額などの増減に影響します。

市場価格調整のイメージ(解約返戻金の場合)。解約時の市場金利が契約時と比べて上昇した場合、通常、解約返戻金額が減少します。反対に、解約時の市場金利が契約時と比べて低下した場合、通常、解約返戻金額が増加するという相関関係を図示しています。

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複数のコストがかかる

外貨建て保険の契約や保有時などには、複数のコストがかかります。商品によって詳細が異なる場合がありますが、一般的には以下のコストが挙げられます。

為替手数料

外貨建て保険では、通常、保険料の払込時には日本円から外貨、保険金などの受取時には外貨から日本円への交換が必要です。通貨の交換時には保険会社所定の為替手数料がかかります。米ドル建ての場合、1ドルあたり50銭の手数料がかかるものが多いようです。(一部には、日本円で受け取るときの為替手数料がかからない商品もあります。)

すでに外貨を保有している場合には外貨での保険料払込ができる、外貨預金口座があれば保険金などを外貨で受け取れる商品もあります。この場合、為替手数料が日本円との交換に比べて抑えられるか、かからないことがありますが、別途、入出金をする金融機関の送金手数料や口座引出手数料などがかかる場合があります。

保険の契約や運用にかかるコスト

外貨建て保険では通常の生命保険と同様に、払い込んだ保険料から、保険契約の締結や維持、保障に必要な費用が差し引かれます。これらが契約後にも定期的に、貯蓄部分の積立金から差し引かれる商品もあります。個人年金保険や、終身保険などの保険金を年金形式で受け取る場合には、年金受取にかかる費用が積立金から差し引かれるものもあります。

また、変額終身保険や変額個人年金保険では、これらとは別に資産運用にかかわるコストが積立金から差し引かれる場合もあります。(もとより、外貨建て変額保険は為替変動リスクに加えて、株式や債券などの価格変動リスクの影響も受けます。)

これらのコストは、年齢や性別などに応じて設定されているものや年金額に応じて設定されているものなどがあり、仕組みが複雑です。詳細は必ず各商品のパンフレットなどで確認しましょう。

解約控除

終身保険など貯蓄型の生命保険を一定期間内に解約する場合には、「解約控除」というコストが差し引かれるのが一般的です。通常、契約日から解約までの年数に応じて控除額・控除率が設定されており、契約日からの経過年数が短いほど控除額・控除率が高くなります。特に短期間で解約すると、解約返戻金の受取額が払込保険料の総額を下回り、元本割れすることがあります。

外貨建て保険の解約時には、受け取れる解約返戻金額の計算において、解約控除のほかに先ほどご説明した「市場価格調整」も差し引かれる場合があります。解約控除と市場価格調整の両方の影響で元本割れするリスクにも、十分な注意が必要です。

外貨建て保険のリスクはどれくらい?

ここまでご説明した注意点(デメリット)をふまえると、外貨建て保険は一般的に円建ての貯蓄型保険に比べてリスクが高いといえます。では、具体的なリスクの程度はどれくらいなのでしょうか?参考として、外貨建て保険の運用状況を確認してみましょう。

外貨建て保険を扱っている金融機関などの顧客を対象に、金融庁が実施した「外貨建て保険の共通KPIに関する分析」によると、契約中の外貨建て保険の運用評価率がプラスになっている顧客の割合は、2025年3月末基準で約65%でした。基準時点では、外貨建て保険で運用収益を得られている人が半数以上いることがわかります。

ただし、運用実績は為替相場の動向などによって大きく変動する可能性があります。将来にわたって同じように収益を得られることを保証するものではありませんので、参考程度としてとらえ、リスクを十分に理解しておくことが大切です。

外貨建保険の運用評価別顧客比率(2025年3月末基準)(全事業者)の帯グラフ。全事業者136者において運用損益率0%以上の顧客割合は65.4%。(注1)基準日25年3月末(注2)25年3月末基準で外貨建保険の共通KPIを公表し、当庁に報告のあった金融事業者(136者)を集計(単純平均)(注3)各業態の右端のパーセンテージは、運用損益率0%以上の顧客割合(小数点以下四捨五入)(注4)各業態の右側の( )内数値は、公表先数(注5)その他は、保険会社等3者、日本郵便(資料)金融庁

出典:金融庁「外貨建て保険の共通KPIに関する分析」より抜粋

ポイント

  • 外貨建て保険は、為替変動リスクや金利変動リスクによって将来の保険金などの受取額が変動する場合がある
  • 外貨建て保険では多くの場合、為替手数料、保険関係費用、解約控除など複数のコストがかかる
  • これらの要因から、外貨建て保険には、円建て保険にはない元本割れのリスクがある

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外貨建て保険にかかる税金

外貨建て保険の保険金や解約返戻金などを受け取ったときには、どのような税金がかかるのでしょうか。課税方法の基本は円建ての生命保険と同じですが、払い込んだ保険料や受け取った保険金などが外貨建ての場合には、申告や納税にあたって日本円への換算が必要です。

外貨建て保険の課税の概要を確認しましょう。

外貨で保険料払込や保険金受取をした場合は、円換算額に課税される

外貨で保険料の払込みや保険金などの受取をした場合には、申告や納税時には受け取った外貨を日本円に換算してから税額などを計算します。

外貨で払い込んだ保険料は一般的に、払い込んだ日の為替レートで円換算します。また、外貨で受け取った保険金は死亡日など支払事由の発生日、年金は年金受取開始日または年金受給権発生日、解約返戻金は解約の請求受付日など、保険会社が指定するタイミングの為替レートで円換算します。為替レートにもいくつかの種類がありますので、詳細は保険会社に確認しましょう。

「保険料円入金特約」などによって保険料を日本円で払い込んだ場合や、保険金や年金を「円支払特約」などによって日本円で受け取った場合には通貨の換算はせず、実際に払い込んだ金額や受取金額をもとに申告や納税をします。

死亡保険金を受け取った場合の税金

保険金などを受け取ったときにかかる税の種類や課税方法は、外貨と日本円との通貨換算が必要な場合を除き、基本的に円建ての生命保険と同じです。死亡保険金を受け取った場合には、契約者(保険料の負担者)と受取人の関係により、かかる税の種類が異なります。

契約者と被保険者が同じ場合には、相続税の課税対象になります。(相続人が受け取る場合には、「500万円×法定相続人数」が非課税となります。)

契約者と受取人が同じ場合には、所得税(一時所得)の対象になります。また、契約者・被保険者・受取人がそれぞれ異なる場合には、贈与税の対象になります。

死亡保険金の課税関係。①契約者=被保険者の場合:受取人が被保険者の法定相続人の場合、非課税の適用が可能です。(500万円 × 法定相続人の数) 保険金受取人が相続人:相続税(保険金の非課税適用あり)。保険金受取人が相続人以外:相続税(保険金の非課税適用なし)。②契約者=受取人の場合: 所得税。③契約者、被保険者、受取人がそれぞれ異なる場合:贈与税

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満期保険金・年金を受け取った場合

満期保険金や年金を受け取った場合には、受取形式や契約者と受取人の関係に応じて課税されます。

契約者と受取人が同じで、一括受取の場合、一部の商品では契約から5年以内に受け取る場合には20%が源泉分離課税されます(別途、復興特別所得税もかかります)。契約から5年超経過後に受け取る場合には所得税(一時所得)の対象になります。

また、年金形式で受け取る場合には、所得税(雑所得)の対象となるのが一般的です※。契約者と受取人が異なる場合には、贈与税の課税対象になります。
※年金の受取形式により、課税方法が異なる場合があります。詳細は保険会社にご確認ください。

解約返戻金を受け取った場合

保険期間中に解約し、解約返戻金を受け取った場合には、受取額から払い込んだ保険料などの必要経費を差し引いた金額が所得税(一時所得)の対象になります。

外貨建て保険に払い込んだ保険料は通常、生命保険料控除の対象になる

外貨建て保険の保険料は、円建ての生命保険と同様に、払い込んだ年の所得税の計算上、生命保険料控除の対象になります。一時払いで保険料を払い込んだ場合には、その年のみの控除の対象になります。保険料を外貨で払い込んだ場合には、払い込んだ日の為替レートで円換算した金額をもとに、控除額が決まります。

※本稿は、生命保険に関する税の概要を説明したものです。各商品の課税の詳細は、各保険会社にご確認ください。また、個別のケースの課税方法や税額などについては、税理士などの専門家にご確認ください。

ポイント

  • 外貨建て保険の保険金などを受け取ったときの課税方法は、基本的に円建ての生命保険と同じ
  • 外貨で保険料の払込みや保険金などの受取をした場合には、円換算した金額をもとに税の申告や納税を行う
  • 外貨建て保険の保険料は通常、生命保険料控除の対象となる

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Q&A

外貨建て保険はどのような人におすすめですか?

外貨建て保険の多くは貯蓄型の生命保険で、貯蓄と保障を兼ね備えています。一般的に、日本円のほかに外貨の資産を保有したい場合などに、運用手法の一つとして活用されています。ただし、将来の保険金支払などの原資となる積立金は外貨で運用されているため、為替変動により、将来に受け取る保険金額や解約時に受け取る解約返戻金額などが増減するリスクがあります。運用実績や解約時期などの条件によっては、受取額が払い込んだ保険料の総額を下回り、元本割れするリスクもあります。保険の仕組みやリスクを十分に理解したうえで、ほかの資産とのバランスもふまえて慎重に検討することが重要です。

外貨建て保険をやってはいけない・やめたほうがいいのはどんな場合ですか?

外貨建て保険は、保険金や解約返戻金などの原資を外貨で運用する仕組み上、円建ての生命保険にはない為替変動リスクを伴います。為替相場の状況によっては、受取額が払い込んだ保険料の総額を下回り、元本割れするリスクもあります。また、解約した場合などにも、解約控除や市場価格調整によって元本割れするリスクがあります。

こうしたリスクについて十分な理解がないままに契約すると、のちにトラブルになる場合もあります。金融庁によると、「元本毀損するとは聞いていない」といった苦情につながるケースもあるようです。投資経験がない、為替相場を定期的に確認していないなど、運用に関する知識や経験がない場合や、安定的な運用をしたい、元本割れを避けたいと考える場合などには、外貨建て保険は向いていない可能性があります。

生命保険協会では、外貨建て保険は保険会社などの募集において特に留意が必要な「市場リスクを有する生命保険」に指定されており、顧客への勧誘や申込の受付時にはリスク、リターン、コストなどについて十分な説明をすることが必要とされています。外貨建て保険への加入を検討するときには、商品の仕組みについてしっかりと説明を受け、リスクを許容できるかどうかを考えてみましょう。十分に理解できない場合には、申込を見送るのも一つの方法です。

まとめ

外貨建て保険は一般的に、保険料払込や保険金・年金・解約返戻金などの受取を米ドルやユーロ、豪ドルなどの外貨で行う、貯蓄型の生命保険です。終身保険・養老保険・個人年金保険など、保険の仕組みによって複数の種類に分かれます。資産運用の一環として活用されることが多く、外貨で運用することで通貨分散や高い予定利率を期待できますが、反面、為替変動リスクや金利変動リスクを伴います。為替相場や金利の動向などによって保険料の金額や受取金額などが変動するため、元本割れのリスクがあります。また、各種手数料や解約控除など複数のコストもかかることに留意が必要です。商品の仕組みやリスクについて十分に理解したうえで検討することが大切です。

必要な生命保険を知ろう

ライフネット生命の保険は、インターネットを使って自分で選べるわかりやすさにこだわっています。保険をシンプルに考えると、これらの保障があれば必要十分と考えました。人生に、本当に必要な保障のみを提供しています。