子育て
お宮参りの基本知識や必要な準備を解説
堀内 麻衣子
ライター
赤ちゃんが生まれて、最初の行事といえば「お宮参り」です。しかし、赤ちゃんとの新生活の中で準備するのはなかなか大変なもの。あらかじめお宮参りの基本的なマナーを知り、必要なものを事前に準備しておくことで、安心してお宮参りの日を迎えることができます。
更新日2024.11.26
掲載日2024.11.26
「お宮参り」は、赤ちゃんの成長をお祝いする行事の一つ。聞いたことはあっても、具体的に何をするのかは知らないという方も多いのではないでしょうか。「いつ行くのがいいの?」「服装はどうする?」「かかる費用は?」など、お宮参りでよく挙がる疑問について、基本的なマナーや当日の流れなどを交えながらわかりやすく解説します。
お宮参りとは、生後1ヶ月を迎える赤ちゃんと神社に参拝し、これからの健やかな成長や幸せを祈る日本の伝統的な行事の一つです。
本来、お宮参りとは生まれた土地の守り神である産土神(うぶすながみ)にお参りし、正式に氏子となるための儀式だったといわれていますが、現在では赤ちゃんが無事に生まれてきたことへの感謝を伝え、これからの健やかな成長を祝って参拝する行事として広く知られるようになりました。
地域によっては、「初宮参り(はつみやまいり)」や「初宮詣(はつみやもうで)」とも呼ばれています。
お宮参り当日は、赤ちゃんと一緒に家族で神社に参拝、ご祈祷を受け、写真撮影や食事会を行うのが一般的です。祈祷はせず参拝だけで済ませたり、写真撮影のみ行ったりするなど、お宮参りのスタイルはご家庭によってさまざまです。赤ちゃんや産後のママの体調をみながら、ご家族の都合に合わせて予定を考えましょう。
ここでは一般的なスケジュールをご紹介します。
当日は忙しくなりますので、前日までに準備できる持ち物は用意しておけるとよいですね。持ち物は本記事で紹介していますので確認してみてください。
赤ちゃんとの初めての本格的な外出になる方も多いかと思いますので、時間には余裕を持って出発しましょう。着物を着られる方は着付けの時間も確認しておきましょう。
社務所にて受付を行い、初穂料(神社に支払う謝礼)を納めます。
初穂料は5,000円〜1万円が相場ですが、金額が決まっている神社もあるので事前に確認しておきましょう。
順番がきたら本殿へ向かい、ご祈祷を受けます。神社によってご祈祷の流れは異なるので、神社の指示に従いましょう。ご祈祷にかかる時間は一般的に20〜30分程度です。
お宮参り当日に撮影を行う場合は、ご祈祷の後に行うのがよいでしょう。ご自身で撮影する以外に、フォトスタジオなどプロに依頼する方法があります。最近では参拝する神社での出張撮影も人気です。
お宮参り後に参列者で食事会を催すこともあります。食事会は料亭やレストラン、あるいは自宅で行うこともあります。参加する方の都合や予算など、ご家庭に合う形で実施の可否や内容を検討されるといいでしょう。
お宮参りへ行くタイミングは、一般的に生後1ヶ月頃とされています。しかし、生後1ヶ月というと母子ともにまだ体調を崩しやすい時期です。タイミングはご家族でよく相談した上で計画しましょう。
伝統的なしきたりでは、生まれた日を1日目として数え、男の子なら生後31〜32日目、女の子であれば生後32日〜33日目にお宮参りを行います。地域によっても風習が異なり、生後50日目にお宮参りをするところもあります。
お宮参りに「いつまでにするべき」という明確な決まりはありません。最近では、生後100日前後に行う「百日祝い(お食い初め)」とまとめて行うご家庭もあるようです。
生後1ヶ月といえば、産院で「1ヶ月健診」を受ける時期です。1ヶ月健診で赤ちゃんの発育状況やママの産後の回復状態に問題がないことを確認した上で、お宮参りを行うと安心です。
また、夏や冬生まれの赤ちゃんにとって、長時間の外出は負担が大きくなります。過ごしやすい気候になってから行っても問題ありません。赤ちゃんとママにとって無理がないか、気候面も考慮して、実施するタイミングを検討してください。
お宮参りの準備では、特に服装について悩まれる方が多いかもしれません。ここからは、お宮参りの服装として一般的なものをご紹介します。
お宮参りでの赤ちゃんの服装は、「白羽二重(しろはぶたえ)」という白絹の生地で作られた着物の上に「祝い着」を羽織るスタイルが正式とされています。
祝い着でよく使われている柄は、縁起がいいとされる「吉祥文様」です。
男の子の祝い着は、鷹、兜、龍など勇壮な絵柄が多く見られ、黒や濃紺、紫などの色味が人気です。
女の子の祝い着では、花車、鞠、鈴などの絵柄が多く、色は赤やピンクがよく好まれています。
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最近では、白羽二重ではなくベビードレスを着せて祝い着を掛けるスタイルが多いようです。中にはベビードレスのみで参拝される方も。ベビードレスは男の子でも女の子でも着られるデザインのものや、男の子用にデザインされたものもあります。
同行する家族の服装も明確なドレスコードはありませんが、ママの服装は基本的に赤ちゃんの服装に合わせましょう。赤ちゃんが和装であれば、ママは訪問着や色無地などの着物が多いようです。最近では、ワンピースやスーツなどフォーマルな服装で参拝される方もいらっしゃいます。
パパの服装はスーツスタイルが主流で、赤ちゃんやママは和装であっても洋装でもスーツを着られる方が多いようです。
礼服、もしくは落ち着いた色のビジネススーツがよいでしょう。
付き添うごきょうだいも、基本的には赤ちゃんに合わせるのが基本とされていますが、特に和装の場合など、年齢によっては着用が難しいこともありますよね。その場合はワンピースやジャケット、衿つきのシャツなどフォーマルを意識した洋装でも大丈夫です。いずれの場合も赤ちゃんよりも目立たないようにしましょう。
祖父母が参拝に同行する場合も、基本的には赤ちゃんや両親の服装に合わせるとよいでしょう。祖父はパパ同様にスーツスタイルで、祖母はママに合わせて和装か洋装かを決め、洋装であればワンピースやスーツなどフォーマルな装いを選びましょう。
お宮参りの服装に明確な決まりはありませんが、参拝のマナーとしてTシャツやジーンズなどカジュアルすぎる服装は控えましょう。また、夏や冬にお宮参りを行う場合は、服装選びにも注意が必要です。赤ちゃんやママの体調を考え、暑さ、寒さ対策の準備を忘れずに行いましょう。
ここからはお宮参りにかかる費用と、必要なものについて説明します。お宮参りに向けてしっかり準備をしておくことで、当日はスムーズに進めやすくなります。
お宮参りを行う際に神社に納めるお金。5,000円〜1万円が相場です。以前は父方の祖父母が初穂料を負担するとされていましたが、近年ではお宮参りのスタイルもさまざまなので誰が負担をしても問題ありません。事前にご家族で確認しておきましょう。
祝い着やベビードレスなど赤ちゃんの衣装にも費用がかかります。着物の場合、新たに購入する場合は2万円〜20万円ほど、レンタルの場合は3,000円〜2万円が相場とされています。費用を抑えるならレンタルの利用がおすすめです。
出張撮影やフォトスタジオでプロのカメラマンに依頼して記念撮影をする場合は、撮影料が必要です。フォトスタジオでは撮影料やアルバム代などを含めて2万円〜4万円程度が一般的な相場といわれていますが、撮影スタイルによって金額は異なります。衣装のレンタルをできるところもあります。
お宮参りの後に食事会をする場合はその費用も考えておきましょう。レストランや料亭で外食する場合は、お店によって異なりますが一人3,000円〜8,000円程度が相場のようです。それ以外では、自宅で仕出し弁当やケータリングを活用する方法もあります。
お宮参りでは、生まれた場所の氏神様がまつられている神社へ行くのが一般的です。一方で、安産祈願をした神社など思い入れのある神社、有名な神社など生まれた場所以外の神社を選ばれる方も少なくありません。中には神社ではなくお寺でお宮参りをする方もいます。
参拝する場所に決まりはありませんが、移動距離が赤ちゃんやママにとって負担にならないこと、遠方から祖父母が来る場合などはアクセスの良さなども考慮に入れるといいでしょう。
ご祈祷を受ける場合は予約が必要なこともあるので、あらかじめ電話やウェブサイトで予約や初穂料についても事前に確認しておきましょう。
お宮参りの際に、プロのカメラマンに撮影してもらう場合や、レストランや料亭で食事会を行う場合も事前に予約が必要です。
特に撮影は七五三のシーズンなど、混雑する時期もあるのでなるべく早めの予約がおすすめです。
赤ちゃんとの初めての本格的なお出かけとなる方も多いかもしれません。当日何が起きても困らないように、事前に準備しておけると安心です。
当日の持ち物一覧(例)
おむつセット(おむつ(3枚以上)、おしり拭き、おむつ替えシート、ビニール袋)
ミルク(液体ミルクが便利)、哺乳瓶
授乳ケープ、母乳パッド(母乳の方の場合)
おくるみ
赤ちゃんの着替え
タオル、ガーゼハンカチ
母子手帳、健康保険証、乳児医療証
そのほかあると便利なもの
暑い日は扇子や日傘など
寒い日は赤ちゃんの靴下、帽子、防寒着
おもちゃ
赤ちゃんが生まれると、お宮参りや初節句、お食い初めなど色々な行事があります。これらはすべて絶対にしないといけないものではありません。それぞれのご家庭の事情もあります。赤ちゃんやご家族の体調、ご予定など、ご家庭にとって無理のないように行うことをおすすめします。
昔は父方の祖父母だけが同行するのが一般的でしたが、現在は母方の祖父母も一緒にお宮参りに行くことが増えています。事前に両家に声をかけて参加について相談して決めましょう。もちろん赤ちゃんと両親、ごきょうだいのみでも問題ありません。
昔のお宮参りは、赤ちゃんとパパ、父方の祖父母で参拝することが一般的だったため、初穂料を負担するのは父方の祖父母でした。特に決まりがあるわけではないので、お宮参りのお金はどなたが負担しても問題ありません。あらかじめ費用についてご両親に確認しておけると安心かもしれません。
お宮参りは赤ちゃんの誕生を祝い、これからの健やかな成長を願う大切な行事の一つです。この記事では必要な準備や服装、費用などについてご紹介しましたが、お宮参りに「こうしなければいけない」という厳格なルールはありません。大切なのは赤ちゃんとママに無理のないこと。基本的なマナーはおさえつつ、それぞれのご家庭に合ったスタイルでお祝いしましょう。赤ちゃんと一緒に迎える初めての記念日として、思い出に残る1日をお過ごしください。
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