富士山?フジサン?

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ライフネット生命 スタッフ

先日、富士山が世界文化遺産に登録されました。

「富士山」という言葉を耳にすると、思い出すことがあります。

4歳から親の転勤でアメリカに住んでいましたが、小学校6年生になる直前に家族で帰国しました。小学校では、いわゆる「逆カルチャーショック」がたくさんありました。例えば・・・なぜ背の順に並ぶ?鉄棒とか跳び箱は何のため?「前ならえ」ってなんだ?しかもその応用編の「小さく前ならえ」は一体?上履きがあるのになんで体育館履きが別にある?運動会の行進、誰も何も言わないのに、なんでタイミングも足もみんな揃う?「4列になれ」と、さらに上級編の「3列になれ」では、私は一体どこに動けばいい?など、学校(特に体育の授業)で不思議に思うことがたくさんありました。

帰国して間もなく、日本語がまだまったくダメな頃のある日、テレビを見ていたら、どこかの山の話をしていました。どの山かは覚えていないのですが、「浅間山」などの「やま」でした。説明しやすくするため、とりあえずそれが「浅間山」だったとします。そのテレビのニュースにさぞ違和感があったのでしょう。母親に、「なんで『アサマヤマサン』と呼ばないの?」と質問。母親は、「浅間山の「やま」が「サン」だから」と答えてくれました。まぁ、そう答えますよね。ですが、私はそれを理解できず、「でもフジサンはフジヤマと言わないのに、なんでアサマヤマは「ヤマ」だけなの?」と再度質問しました。母親は、「浅間山も富士山も山で、浅間山の「山」が「さん」だから」と。納得のいかない私は、「フジサンだって山なのに、ちゃんと「さん」を付けてる。何がそんなに特別なの?」。なんとか私が言っていることを理解しようと母親の表情は真剣。でも私の疑問がどうもわかっていない様子。なので、また頑張って説明。「フジサンは、アサマヤマと同じ山なのに、フジサンは「千浦さん」とか「片岡さん」みたいに、「さん」を付けてもらえてる。なんでフジサンはそんなに特別なの?」

そうなのです。私は、富士山が「富士さん」と呼ばれているのだと思っていたのです。ようやく私が何を理解していないのかがわかった母親は、笑いながら「山」という漢字の音読みと訓読みを説明してくれました(※6年生のときです)。

そんな私のたくさんの日本語や日本文化の勘違いを、私が理解するまで1つ1つ辛抱強く付き合って教えてくれた母親が、本日、60歳の誕生日を迎えました。来月、初めての母娘だけの海外旅行に行ってきます。
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