救出!はぐれネコ

投稿者:
ライフネット生命 スタッフ

そのネコは信号がある横断歩道を外れて道路をゆっくりと、とういうよりもトボトボと渡ってきました。
野良ネコではなく、どこか自分の居場所からはぐれてしまったネコというイメージです。渡ってきた先には、ゴミ置き場があります。フラフラしながらそこまで来ると、やせ細ってボロボロのネコはアタマを垂れて立ち止まってしまいました。生ゴミを出す日ではないため、ゴミ置き場から餌をあさることができません。空腹のあまり一歩も動けないようです。いまにも倒れるのではないかと、わたしたちはハラハラとしました。

7月下旬の暑い朝のことでした。わたしたちというのは、たまたま妻の都合で出勤の時間が同じだったからです。その場から立ち去り難い一瞬でしたが、会社に行く途中でもあり駅に向かいました。ところが、妻はコンビニでネコの餌がないためおにぎりを買ってネコのところに戻っていきました。ひと月くらい前に13年飼っていたネコが亡くなり、そのはぐれネコは同じような柄(白黒のハチ割れ)だったのです。戻ったときには、もう姿が見えなかったということです。

翌朝、妻は同じようにゴミ置き場の近くにいるネコを見つけました。家から持ってきた餌をあげると余程おなかがすいていたとみえ一気に食べてしまったそうです。次の日わたしが出勤するときに、すでにゴミ置き場の近くで待機していました。6か月にも満たない子のようです。朝夕に餌をあげる日が2週間ほど続き、わたしたちに少し馴れてきました。こんなことをしていると見とがめられる恐れがあります。何とかしなければと思いインターネットを調べあっちこっちに電話をして、「飼い主のないネコを救う会」があるのを知りました。近くに住む会の人に早速連絡したところ、とにかく捕獲して誰かに一時的に預かってもらいそのうえで飼ってくれる里親を探すこととなりました。

夕方、会の人が金網製の細長い捕獲器を持って現場に来てくれました。中に入って奥の餌を食べようと踏切板に足を載せると、パタンとトビラが閉まる仕掛けです。餌を捕獲器の奥に置いて誘うのですが、警戒心が強くなかなか入りません。結局その日は捕獲できませんでした。捕獲器を人目のつかないところに置いて、午前0時過ぎに見回りましたが捕獲できず、翌朝5時から少し離れて様子を見まもりました。6時頃になりようやくお腹が空いてきたのか、周りを警戒しながらも捕獲器の中にスーと入っていきました。パタンという大きな音とともに大暴れ、急いで近くに駆け寄ると凄いうなり声と非難の目でにらみつけられました。その後すぐに動物病院に行き健康状態を診てもらったところ、女の子ですでに2歳を超えているとのことで驚きました。

インターネットやポスターで里親を探しましたが、子ネコではないためなかなか里親が見つかりません。しばらくしてから近所ですでにネコを2匹飼っている人にようやく貰われていきました。その里親さんのブログでは、捕獲したころのボロボロの体から大変身して女王のように振る舞っている今の彼女が登場しています。ゴミ置き場の脇を通るとき、わたしは彼女と出会った夏の暑い日々のことをふと思い浮かべたりします。でも、彼女はもうわたしたちのことはすっかり忘れていることでしょう。

お客さまサービス部 中村でした

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