コレクション

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ライフネット生命 スタッフ

多かれ少なかれ誰でも蒐集癖というのはあるのだと思いますが、みなさんは何か集められていますか。私は現代美術作品を集めています。ある画廊のオーナーさんが笑い話として教えてくださったのですが、「「美術を見るのが趣味です」というと「いいご趣味ですね」といわれるけれど、「美術を集めるのが趣味です」というと「変ったご趣味ですね」といわれる」とのこと。確かにびっくりされます。美術品って高価なものだと思われているせいだと思いますが、実は現代美術に限るとピンキリです。安いものは1万円を切ります。評価がまだ定まっていませんので安く買えることがほとんどです。将来的には高くなってしまい手が届かなくなる可能性もありますので、この人!と思った作家さんの作品を支援の意味も込めて買っています。

そもそも集め始めたきっかけは、大学院で芸術経営を研究していた加減でアートフェア(展示即売会)や画廊に足しげく通うようになり、あるアートフェアで衝動買いをしたことです。学生が衝動買いで買えるくらいですからテレビ一台も買えない値段です。お値段はお安いものでしたが、私の住空間は劇的に変化しました。
インテリアとして素敵な家具やデザイン家電もほしいなとよく思います。とはいえ、大量生産される家具と違って一点ものの作品たちに囲まれていると自分らしい空間になってくるように思います。美術品につぎ込んで家財をちっとも買えないので、何もない!と来客に驚かれる家に住んでいますが本人はいたって居心地良く過ごしています。
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学生時代に住んでいた家に置いていたものです(左上)。アガット・ド・バイヤンクールライフネット生命保険サイトの外へ移動します(新しいウィンドウが開きます)という女性作家の作品ですが、画面構成と色遣いが気に入っています。大学院時代、毎日やってくる締め切りに追われていましたが、寝る前に眺めていると不思議と気持ちが軽くなりました。じっと眺めていると吸い込まれそうな気分になります。
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こちらは舩木大輔さんライフネット生命保険サイトの外へ移動します(新しいウィンドウが開きます)の作品です。右は拒食症になった少女がつらさに負けずに強く生きて羽ばたいていけという作品、左は女性が相撲をとれないことを皮肉った作品です。こういうシニカルな作品が家にあると、なんとなく過ごしている日常も違った角度から見てみようという気になります。個人的に最も注目している作家さんです。
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何度もアクリルを塗っては消す、という作業をポリエステルの上で繰り返した岩熊力也さん(小林画廊ライフネット生命保険サイトの外へ移動します(新しいウィンドウが開きます) )の作品です。色合いやナイロンの透明感が気に入っています。
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フランスに留学していたときにAndrea Andriya Filipovicさんのモデルをやったお礼にいただいた絵です。日本人作家にはない感性だなと思います。

美術展の1年間の世界ランキングをとると必ず日本で行われた展覧会が上位に食い込みます。これほど美術展好きの国民も少ないというほどの動員があります。しかしながら日本における美術品の売買は低迷しきりです。次世代の作家の育成のためにも若い作家さんの作品が買われるようになればいいなと思っています。

最後に美術品を買うコツです。いいなと思う作品があったらできれば作家さんに説明してもらうことです。思い入れや技法などこだわりポイントを聞いてみてください。加えて作家さんのポートフォリオと呼ばれる作品集を見せてもらうことです。作家さんの個展歴や一連の作品の中の位置づけを見て納得できればOK!プロではありませんし、正解はありませんので後は自分の感性で。画廊の専属作家さんの作品であれば、気に入らなくなれば画廊が買い戻しもしてくれます。週末、一度画廊に足を運んでみてみてはいかがでしょうか。

リスク管理部 古森

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