マーケティング部の辻です。
先日、夜遅くに帰宅してぼんやりとNHKのBSを見ていたらたまたまやっていた「世界記憶力選手権」。1年前の再放送だったようですが、これが思った以上面白く、平日深夜なのにテレビに釘付け。
ずらーっと並んだ膨大な数の数字を1時間で可能な限り覚える「One Hour Number」(世界記録:2,660桁)、30分で二進法の1と0の数字の並びを記憶する「Binary Number」(世界記録:4,140桁)、トランプ一組の並びをできるだけ速く記憶する「Speed Cards」(世界記録:21.19秒)などなど、「記憶力選手権」はもはや完全にスポーツ。それにしても、世界記録はとんでもないですね。
興味を持ったのは、その覚え方。単純にじーっと数字を睨んで覚えるわけではなくて、選手はそれぞれ、「記憶術」という手法を使っているということ。そういえば、かつて「いい国(1192)作ろう~」で覚えましたよね。(蛇足ですが、最近では鎌倉幕府成立は1185年になったらしいですね!)
たとえば円周率。円周率の覚え方はいろいろあって、英語だと、例えば以下のように覚えるのだとか。各数字と同じ文字数の単語を当てて、文章にして覚えるんですね。なるほど。
3 | 1 | 4 | 1 | 5 | 9 | 2 | 6 | 5 |
For | a | time | I | stood | pondering | on | circle | sizes |
ちなみに日本語は語呂合わせの自由度がもっと高く、英語よりも効率よく覚えられるのだとか。代表的な覚え方は以下の文章。これで30桁。ちなみにギネス世界記録保持者は日本人で、その記録は10万桁なのだとか!
3.14159265 | 358979 | 3238462 | 643383279 |
産医師異国に向かう | 産後厄なく | 産婦みやしろに | 虫散々闇に鳴く |
その他、中国語だと0から99までの数字を発音のよく似た別の言葉と語呂合わせで覚えるらしく、近年世界大会でグイグイ頭角を現しているそう。この大会の優勝者も中国人でした。
これ、マーケティング担当者としてはすごく興味深い話。つまり、人間の脳というのは「何かと関連付けて覚えると、忘れない(忘れにくい)」ということですから。自分たちの会社や商品を皆さんの記憶に残していきたい我々としては、記憶術から学ぶことが多くありそうです。粘着力のある個性的な記憶を、うまく物語に乗せて、人々の脳に刻んでいきたい!
手始めに、最近モノ忘れがひどくなってきたし、ちょっと円周率でも覚えてみようかな。