わざわざ言うほどのことでもないのですが、うちにはたこ焼き器があります。
武士にとっての刀のように、関西人にとっての当たり前。
一人暮らしをするときにMYたこ焼き器を持ちはじめてから数えること4代。
この4代目蛸左衛門(たこ焼き器のこと)は、伝統ある南部鉄器製で、IHにも対応しているハイテクなやつ。
それなのに、購入してから4か月、いまだデビューできずにおります。
タコと粉まで揃えたこともあったのに…なんだか、気分がのらないのです。
『書に曰く、鉄石相剋して火の出ずること急なり。』
弓道の射法訓にあるようなエネルギーの充実がいるのです。
鉄板と目打ち(たこ焼きをひっくり返す道具)が繰り広げる丁々発止の戦いをするには。
どうにも、江戸の空気があわないのでござる。
脈略のない話題になってしまったので、少し現実的なお話しを。
誰が決めたか人気のたこ焼き(外はカリカリ、中はトロトロ)は水の量を多めにすれば簡単に作れるんですよね。
屋台のズシリとくるたこ焼きは、その比率を変えるだけ。
この粉と水の比率と焼き加減の見極めが楽しいんです。
そうはいっても、やる気が出ないので、たこ焼き器でベビーカステラかマドレーヌでも焼いちゃるかと邪心を抱く日々を送っています。
商品開発部の杉田でした。