保険仕分け 「節約する≒ムダを無くす」

投稿者:
ライフネット生命 スタッフ

開業時以来、約2年ぶりの登場となります、菅です。
普段は事業開発部で多くのビジネスパートナーと仕事をする傍ら、数多くの保険相談を受ける機会にも恵まれ、「消費者が保険に対して、どんな感触を持っているか」、直に触れる機会がありましたので、今日は、その中でも印象に残った事例をご紹介します。

この2年弱で数多くの消費者のお話を聞く機会がありましたが、10円安いキュウリを買う為に隣のスーパーに通うけれど、10万円も安くなる可能性がある保険は、「よくわからないから」、「知人から加入したから」、「何となく面倒くさい」と言った理由で、なかなか重い腰が上がらないケースを目にして来ました。
また、「外食費を削る」、「電気の傘にアルミホイルを張る」等の節約術はよく聞きますが、生活の質を上げる節約、すなわちムダを削って、削ったお金を別の所に回すと言うような考えは、あまり聞く機会に恵まれませんでした。

皆さんご存知のとおり、昨年より国が行っている「事業仕分け」がメディアを賑わせていますが、もともとは構想日本と言うシンクタンクが提唱したもので、その事業が「そもそも」必要かと言う所から議論がスタートします。

保険相談と言うと、「これまで保険に入っていなかったが新しく加入する」、「何らかの保険に加入しているが、様々な理由により見直しをする」と言う2つに大別されますが、特に後者は、単に保険種類や保険金額と言った契約内容もさることながら、現在加入している契約が適正かと言う事も大切なポイントとなります。
ここ数年、本屋さんを覘くと、数々の保険に関する書籍や、雑誌が所狭しと並べられていますが、その多くが「ムダを無くす」と言う所にフォーカスがあてられています。

ライフネットの保険相談では、まず最低限の保障を明らかにする所から始めます。高額な保障に加入する事は、最終的には皆さんの選択ですが、最低限いくら必要かを知らないで加入する事は、「何となく良さそうだから」、「高いから高品質」、「マザーグース100%だから良さそう」と言う理由で、50万円の羽毛布団を買うようなものだと思っているからです。

そんな中で、一つ印象的な事例をご紹介します。

とある夫婦と待ち合わせをしていましたが、まず目に入ったのが、今風の若者カップル。年の頃は25歳程度。聞くと、二人とも演劇で生計を立てられているらしいのですが、お2人ともかなりしっかりとした生活設計をお持ちでした。
しかしながら、保険の部に話が行くと、驚きの保険証券が次から次へ。
その数11証券!、額にして年間80万円。
その時点で何かおかしいと感じていましたが、話を聞くと、それは確信に変わりました。
元々、毎月の収入が不安定で、退職金も無く、国民年金で受取り額が少ないから、老後の生活費を今からちゃんと準備しておきたいと言う理由で保険を考えたそうです。

その時点で保険と言う発想が出てくる所も面白いのですが、加入している保障内容は、そのニーズに合致したものではなく、受取額が大きく変動したり、外国の株式の組み入れ比率が50%を超えていたり、外国の通貨建てだったりと、決して安定的に貯蓄ができるような商品性ではありませんでした。
聞けば、営業マンからは、分散投資、ドルコスト平均法などの専門用語をわかりやすく解説してくれ、とても親身になってくれたから、内容はお任せしたとのこと。その時は何となくわかった気になったが、今は何で加入したのか、「???」な状態でした。保険だから安心と言う刷り込みがあったようです。
そもそも収入が不安定な状態なのに、毎月7万円近くの保険料を支払っている事がオカシイのですが。

最低限の保障を知って貰うと共に、低金利下で超長期に資金をコミットする事のデメリットや、収入の乱高下がある中で流動性が少ない商品に加入する事の危険性、契約者保護機構、右肩上がりの時代とは違った生活設計の考え方など、さまざまなお話をし、最終的には、ムダを削る方向で検討して頂ける事になりました。

これには後日談があり、お2人で一生懸命に保険の勉強をされ、いざムダの削減に乗り出すために、半分以上の契約を解約して、保険料や解約返戻金を貯蓄に回そうと営業マンに連絡したところ、営業マンは「より貯蓄性が高い商品があるんです」と、別の商品群を提案して来たそうです。初めからそうしていれば良かったのにと言ったところで、本末転倒ですが。

さてこのケースからの学びですが、お2人とも加入時は、加入する保険に納得はされています。
しかし理解していない。
生命保険文化センターの調べによると、生命保険料として1世帯当たり年間50万円以上を支出しているそうです。単純計算で20年1000万円。そもそも1000万円の商品を購入するのに、営業マンが親身になってくれたからと言う理由で買う人は、ほとんどいないと思います。是非、この機会に、ご自身が加入されている保障が適切なのか? ムダはないのか?と言った視点で見直されてはいかがでしょうか。

菅宏司

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