パパパとパパ

投稿者:
ライフネット生命 スタッフ

ぱ、ぱ、ぱ!
ぱ、ぱ、ぱ!

ぱぱぱぱ!
ぱぱぱぱ!

ぱぱぱぱぱぱぱぱ!
ぱぱぱぱぱぱぱぱ!

ぱぱぱぱっぱ!
ぱぱぱぱっぱ!

…と、書くだけで、分かる人にはすぐ分かる歌があります。「これが歌になるの?」と思いませんか?それが、なるんですよ、しかもモーツァルトの曲です。信じられますか?ちょっと聴いてみてくださいライフネット生命保険サイトの外へ移動します(新しいウィンドウが開きます)(歌は0:40くらいから始まります)

モーツァルトが35歳で亡くなる直前に作ったオペラ「魔笛」、物語が大団円に向かう間際、助演である道化役のパパゲーノと、その妻となるパパゲーナによって、少しコミカルに、でも幸せそうに歌われる二重唱「パ・パ・パ」、歌詞なんて気にしたことなかったのですが、以下の通り、ちゃんと二人の未来の幸せを歌っているということを、このブログを書くにあたり初めて知りました。
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パパゲーノ 「お前 本当におれの女房か」
パパゲーナ 「そうよ ほんとにあんたの妻よ」
パパゲーノ 「じゃあ かわいい女房になってくれ」
パパゲーナ 「じゃあ あんたも私の大事な人よ」
ふたり一緒に 「うれしい神のおぼしめし 二人の愛のご褒美に かわいい子供をさずかるなら どんなにかうれしかろ」
パパゲーノ 「はじめは小さいパパゲーノ」
パパゲーナ 「それから小さいパパゲーナ」
パパゲーノ 「もひとり小さいパパゲーノ」
パパゲーナ 「またまた小さいパパゲーナ」
ふたり一緒に 「天にも昇る気持ちってもんだ
          たくさん たくさん パパゲーノ たくさん たくさん パパゲーナ
          二人はたちまち子だくさん 親冥利につきるってことよ」
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この歌、ぼくにとって、小さい頃の思い出であり、初めて好きになったオペラの歌なんです。
両親は、ぼくが小学校に入るか入らないかの頃から、ぼくと一歳年下の妹をオペラやコンサートによく連れて行ってくれました。オペラについては、少なくとも「魔笛」と「トゥーランドット」だけは覚えているのですが、その他にも連れて行ってくれたかもしれません。しかし、いかんせん小学生ですので、愛憎こもった重苦しいイタリアオペラは、あまりおもしろくなかったことだけ覚えています。一方、「魔笛」は、道化役のパパゲーノなど子供が見ていても面白いキャラクターや、ファンタジックな冒険物語っぽい雰囲気もあり(もちろんドイツ語なので理解はしていないのですが)、気に入ったことを覚えています。それを知って、両親は何度も「魔笛」に連れて行ってくれました。中でも「パ・パ・パ」の歌は、リズム遊びのような歌の響きとパパゲーノの役柄により、一番好きな曲になったのです(ちなみに二番目は「夜の女王のアリア」、ソプラノ歌手の超絶技巧が必要とされる、高音の行ったり来たりが「すげー!」って感じです)。小学生のころ、魔笛のCDのこの2曲だけを、繰り返し、繰り返し、聴いたことを覚えています。

この歌を好きになれたことを、今更ながら、両親にとても感謝しています。
「魔笛」を知れたこと、オペラという存在を知れたこと、25年以上経った今でもたまに聴き返すほど好きになった曲を知れたこと、モーツァルトという音楽家を知れたこと、音楽という芸術のひとつを素晴らしいと感じることができたこと、挙げればきりがありませんが、ぼくの人生を豊かにしてくれたことは間違いありません。

この感謝のきっかけは、自分自身の第一子の誕生でした。
この新しい命に、この世にある、様々な美しいもの、素晴らしいものに触れてほしい、それは「パ・パ・パ」であってもいいし、声楽じゃなくても器楽でも、もしくはクラシックじゃなくてもJpopでも、洋楽でも、もしくは音楽でなくても映画や漫画、落語でも、水墨画や油絵や、陶芸、彫像、建築、服飾、メーク、写真、もしくは詩や小説、または料理や食事、または数学の定理や物理・化学の法則、ラグビーやアメフトなどのスポーツ、文化や宗教、春夏秋冬や花鳥風月、この世のありとあらゆるものに触れてほしい、と思ったのです。そして、もちろん、パパゲーノのように、誰かを愛する経験も。
全てが全て心に響く訳ではないだろうけど、色んな経験をし、この世界に感動し、生きる歓び(というと大げさですが)を感じてほしい、と思ったのです。

と、思って気づいたのですが、ぼくもまだまだ色んなことを経験していません。自分の人生はおそらくまだ長いと思うので、この世に生きている幸せを享受し、少しでも子供と感動を共有したいと思っています。ちょうど、両親がぼくたちを「魔笛」に連れて行ってくれたように。

この小さくて大きい命が、この世界で多くの素敵な体験ができるよう、願ってやまない、事務企画部の石井でした。
5月 石井さん.jpg

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