リスクを管理するということ

投稿者:
ライフネット生命 スタッフ

今回は少々固めのお話で恐縮です。

リスクとは何でしょうか?
ネットを検索すると「ある事象の変動に関する不確実性」という定義が出てきますが、おそらく「リスク=危険」という感覚が大方の考えではないでしょうか。

故P.F.ドラッカー氏は、リスクについて以下のとおり述べています。
「基本的にリスクには四つの種類がある。 第一に負うべきリスク、すなわち、事業の本質に付随するリスクである。第二に負えるリスク、 第三に負えないリスク、第四に負わないことによるリスクである。」
※「ドラッカー名著集 創造する経営者」P.F.ドラッカー著・上田惇生訳 ダイヤモンド社

また、ここ数年、「リスクアペタイト(リスク選好)」という言葉も出てきました。
リスクアペタイトとは、「経営目標を達成するため、どのようなリスクを、どこまでとることを許容するか。」という意味のようです。
※日本銀行金融機構局金融高度化センター「金融機関のガバナンス改革」(2015年4月)

ご存知のとおり、どのような事業もリスクを負っています。生命保険業も、まさしく、お客さまのご契約の引き受けやお預かりした掛け金(保険料)の運用等の様々なリスクを負うことで成り立っているサービスです。
もし、いかなるリスクも全くとらないのであれば、成長どころか事業の体もなさないでしょう。

リスク管理も、以前はリスクの低減・回避に主眼が置かれていたように思いますが、考え方はどんどん変化してきており、現在は先の「リスクアペタイト」といった概念を取り入れることが主流になりつつあります。

とはいえ、「とるべきでないリスク」を安易にとったり、「とるべきリスク」でも過剰にとりすぎたりすることで、お客さまに迷惑をかけることがあってはなりません。
(生命保険業界でも、リスクのとり方を誤った結果、経営に行き詰まり、お客さまのご契約条件を変更せざるを得ないケースがありました。)

というわけで、お客さまにより良いサービスを提供し続けるためにも、事業にどんなリスクがあるかを正しく認識したうえで、「とるべきではないリスク」「とるべきリスクをどの程度までとるか」の見極めとモニタリングを適切に行うことは、非常に重要です。
私見ですが、これが上手な会社が、おそらく、長期にわたり安定的な成長を保っていけるのではないでしょうか。

日常生活の中にも様々なリスクが存在していて、皆さまはそれを意識・無意識のうちに管理・対応されていますが、事業上のリスク管理も、根底はそれと全く同じと感じます。
ただいま、風邪やインフルエンザにかかるリスクがUPしていますが、対策として「外に全く出ない」ことは難しいので、私も外出時のリスク管理は慎重にしたいと思います。
皆さまもお大事になさってください。

リスク管理部 織井

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