自分に最も影響を及ぼした本

投稿者:
ライフネット生命 スタッフ

もうすぐ夏休みを迎える小学生の娘に漂うわくわくふわふわした雰囲気を感じる時期になり、最近新年度になったばかりの気がしている私は、過ぎ去る日々の早さについていけない気がしています(歳なのでしょうか)。

“夏休み→読書感想文”と反射的に連想してしまうほど大嫌いな宿題だった読書感想文。子どもの頃は読書も感想文も嫌いでした。私が読書を好きになるきっかけとなった1冊の本があります。山本有三 作 『路傍の石』です。

小学六年生の卒業式で校長先生が、
「小学校を卒業し、明日から中学校へ入学するまでの春休みはたくさんの自由な時間があります。
 先生から本をプレゼントします。この本の中では先生が主人公の少年へ
“たったひとりしかない自分を、たった一度しかない一生を、ほんとうに生かさなかったら、人間、生まれてきたかいがないじゃないか。“と話すシーンが出てきます。
さて、それは何ページに書かれているでしょうか。300ページほどの厚い本で絵はほとんどありません。でも、探してみてください」とお話しされたのです。

探すくらいなら出来るかもしれない・・と校長先生のお話し通り何ページに書かれているのかを探していると思いのほか早めに出てきてしまい、続きが気になり最後まで読み進めることができたのです。
この本に対して当時はおもしろいとか感動したという感想ではなく、厚い本を最後まで読み切ることができたことに対する満足感が得られたことが一番の収穫だったのかもしれませんが、“たったひとりしかない自分を~”のフレーズは強く私の心に残り、中学、高校、大学、社会人とそれぞれのステージでこの本を読み、自暴自棄になったり易きに流れそうな時にふと頭をよぎり、自分を正してくれる方向へ判断できるよう導いてくれているような気がしています。

それなので、自分に最も影響を及ぼした本は?と問われたら、『路傍の石』になるのでしょう。
これは本との出会いというよりも、やる気にさせるスイッチを入れるのが上手な校長先生との出会いが私に影響を及ぼしたという方が正しいのかもしれません。

“たったひとりしかない自分を、たった一度しかない一生を、ほんとうに生かさなかったら、人間、生まれてきたかいがないじゃないか。”(金の星社 『路傍の石』 山本有三作 109頁 1989年)
7月 関根さん.jpg
総務部 関根


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