よく分かるボクシングの基礎知識

投稿者:
ライフネット生命 スタッフ

こんにちは!
新卒3期生の徳山です。

今日は僕が大好きなボクシングについてお話したいと思います。
最近は井岡一翔選手や、井上尚弥選手、村田諒太選手など多くの日本人が世界を相手に活躍し、少しずつ人気が戻ってきたように思います。

しかしながら、「う〜ん、ボクシングって痛そう(野蛮)・・・」、「同じ階級なのになぜ世界チャンピオンが何人もいるの?」、「アマチュアボクシングとプロボクシングってどう違うの?」といった声をときに聞くことがあり、なかなかボクシングの魅力的な世界に踏み出せないという方も多数いらっしゃるのかなと感じています。

そこで、今回はそんなボクシングの魅力をたっぷりと説明しながら、上記のような疑問にも答えていきたいと思います。

ということで、構成としては下記で進めたいと思います。
1. ボクシングの成り立ち
2. 手に汗握る白熱の試合やスーパテクニックの紹介
3. よくある質問集

それでは、それはそれは大変に魅力的な世界へと!

1. ボクシングの成り立ち
ボクシングの起源は諸説あるとされています。1万年前にエチオピアで行われていた兵士の訓練がエジプト→クレタ→ギリシアへ伝わり盛んになったとする説や、紀元前4000年前のエジプトの軍隊の格闘技だったとする説、はたまたアダムとイブの子ども達の兄弟ケンカから始まるとする説など様々です。少なくとも古代ギリシアではこのボクシングの原型とも言われる競技が取り入れられていたことは間違いないとされ、それは5世紀まで続いたそうです。
その後、紆余曲折あるものの、現在のボクシングの原型が出来上がってきたのは17世紀イギリスです。ここで始めて「クインズベリー・ルール」という3分戦って1分休むというラウンド制のルールが導入されました。それからは、そのルールに則りアメリカ・イギリス・メキシコを中心としてボクシング人気は広がっていきました。
一方、そんなボクシングがどのようにして日本で広まっていったかというと、1921年に渡辺勇次郎が日本最初の本格的なボクシングジム日本拳闘倶楽部を設立したことに始まります。その後、1928年のアムステルダム五輪への日本人選手の出場や、1930年代のピストン堀口の活躍、1952年の白井義男による日本人初の世界チャンピオン誕生を経て、ボクシング人気の最盛期を迎えます。
ちなみにですが、「ボクシング」という言葉の語源は古代ギリシャ語で、握りしめた拳を意味する「PUGME」だそうです。また、この言葉が現在の英語のBOXになったそうです。

2. 手に汗握る白熱の試合やスーパテクニックのご紹介
ここでは、僕が今までに見た中で「これは!!!」というような試合や「超的!!!」といったテクニックを紹介したいと思います。
[試合編]
・畑山隆則VS坂本博之
まずは、世界タイトルを日本人同士で争った名試合をご紹介します!
甘いフェイスからは想像できない激しいファイトで世界を獲ったチャンピオン畑山選手。世界的にも激戦区であるスーパーフェザー級、ライト級の2階級を制覇しており、非常に人気のあった選手です。対するは、平成のKOキングと言われたハードパンチャー坂本選手。坂本選手は幼少期を児童養護施設で過ごしており、そのハードパンチと生い立ちから大変に話題となっていた期待の選手でした。
試合内容は激闘の一言。最後には畑山選手がKOで試合を飾るのですが、本当に見応えのある素晴らしい内容でした。

ちなみにですが、試合前に畑山選手は下記のようなことをテレビで言っていました。
「坂本選手は顎が強い。けど、僕は顎が弱い。坂本選手はパンチが強い。けど、僕は坂本選手ほどパンチが強くない。だからこそ、僕が勝つんです。」

是非この試合を観て、この言葉の意味するところを感じてください。

・シュガー・レイ・レナードVSトーマス・ハーンズ(第1戦)
次は、「ヘビー級が動くが如く、ボクシングは動く」と言われたヘビー級(重量級)人気を覆し、「黄金のミドル級」といわれる中量級人気の最盛期を築いた両者の試合を紹介します。

まず、シュガー・レイ・レナードはというと、オリンピックで金メダルを取得後、鳴り物入りでプロボクシングの世界に入りました。軽やかなフットワークと爆発的な連打が見所のボクサーです。ちなみにですが、名前の頭にある「シュガー」とは、シュガーのようにスウィートな試合をするということから来ているそうです。
一方、トーマス・ハーンズはというと、その長い両手から繰り出すフリッカージャブを武器に相手を近寄らせない、絶対的な距離感を持ったボクサーです。ちなみにですが、トーマス・ハーンズはボクシング漫画『はじめの一歩』で登場する間柴選手のモデルとも言われています。
試合内容は、終始ハーンズ選手が主導権を握り、試合を進めていたのですが、最後まで諦めずに戦っていたレナード選手が最後の最後で大逆転KO勝利を収めるというものです。最後の最後に訪れたほんの少しのチャンスをものにしたあの爆発的な連打はボクシングの真髄を垣間見ることができるはずです。

[テクニック編]
・フロイド・メイウェザー
「ボクサーってパンチが見えて避けているの?」と聞かれると、僕みたいな中途半端ボクサーであれば、「見えるというより、タイミングや相手との距離、相手のパターンでパンチを避けている」という回答なるのかなと思います。
しかしながら、このフロイド・メイウェザーの試合を見ていると、すべてのパンチがスローモーションで見えているのではと思わされます。特にショルダーブロックと言われる、肩を用いて相手の攻撃を防御し打ち返す、高度で独特なテクニックは現在のボクシング界においてにメイウェザー以外に使用できるボクサーはいません。

[番外編]
・ナジーム・ハメド
みなさん、ボクサーというと、どういうことを思い浮かべますか?
両手を高く上げ、小刻みにリズムを取り、ジャブを打つ・・・
一般的なボクサーのイメージと言えばこんな感じでしょうか。

しかしながら、そんなボクシングの常識を根本から覆したのが、このナジーム・ハメド。悪魔王子と言われるそのふてぶてしさとそのボクシングスタイルでイギリスを熱狂させたボクサーです。ちなみにですが、『はじめの一歩』のブライアン・ホークのモデルとも言われています。

3. よくある質問集
Q1. ボクシングって痛くないの?
これは、非常によく聞かれることなのですが、やはり殴られると痛いです。鼻血もしょっちゅう出ますし、肋骨が折れることもあります。僕なんか眼下底骨折を2度経験しています。そして、こういったことから「ボクシングって野蛮」というイメージが多くの人にはあるかもしれません。しかしながら、ボクシングの最も優れたところは、試合前にはどれだけお互いのことを悪く思ったりしても、試合が終わればそういったしがらみは消え、お互いのことを讃え合うことができることです。
見てると痛々しいですが、それだけではなく、スポーツマンシップに溢れた競技だと思いますので、機会があれば一度は見てみて下さい。

Q2. なんで世界チャンピオンは何人もいるの?
現在、ボクシングにはWBA、WBC、IBF、WBOと世界的なタイトル認定団体が4つあります。なかなかイメージを持ちにくいかもしれませんが、簡単に言うと、プロレスで言う日本プロレスと新日本プロレスみたいな感じです。それぞれの団体でチャンピオンとして認められることができるのです。
これには様々な批判もあったりするのですが、自身としては、世界タイトルマッチに挑戦できる機会が増えるので、ボクサーにとっては非常に大きなモチベーションへと繋がり、ボクサーの質が上がっているとポジティブに捉えています。

Q3. アマチュアボクシングとプロボクシングってどう違うの?
これもよく聞かれることなのですが、多くの方にとって、プロボクシングの方が強く、アマチュアボクシングの方が弱いといったイメージがあると思います。
しかしながら、これもまたレスリングで例えるなら、プロボクシングとアマチュアボクシングは、プロレスとアマレスぐらい異なります。プロの世界チャンピオンがアマチュアボクシングのルールでアマチュアの世界チャンピオンに挑んだとしたら、間違いなく勝つことができません。逆もまたしかりです。
というのも、プロボクシングでは最大3分×12ラウンド戦いますが、アマチュアボクシングでは3分×3ラウンドです。それぞれにおいて、戦略が全く異なります。それゆえ、プロボクシングとアマチュアボクシングはそもそも全く違うのです。
中にはプロの試合よりアマチュアの試合の方が好きという方もいらっしゃいますので、ボクシング=プロというだけではなく、時にはアマチュアのボクシングも見て下さい。スピード感溢れる攻防が見れると思います。

長くなりましたが、ここまで読んで頂けたらボクシングの基礎知識としては十分じゃないでしょうか。特に「2. 手に汗握る白熱の試合やスーパテクニックのご紹介」を熱く語れるようになれば、「こ、こいつ、知っている・・・」となること間違いなしです。

以上、よくわかるボクシングの基礎知識でした!

徳山

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