○○の秋

投稿者:
ライフネット生命 スタッフ

ようやく秋らしくなってきましたね・・・
さて、○○の秋でいうと、僕にとってはやはり芸術の秋ですかね。秋が音楽を聴くには一番適しています。今年は、ジュゼッペ・ヴェルディ(1813~1901年)とリヒャルト・ワーグナー(1813~1883年)の生誕200周年ということで、巷では大変盛り上がっています。
オペラ作曲家として、この2人のオペラの巨人が、偶然にも同じ年に生まれたというのも不思議な縁を感じます。

しかしこの2人の人生は対照的であったと言えるでしょう。ヴェルディの方は既に中期(「椿姫」や「リゴレット」の頃)にはオペラ作曲家として大成功を収めており、経済的にも恵まれていました。
彼の死にはイタリア国民が大変心を痛め、葬儀ではオペラ「ナブッコ」の「行け、我が想いよ」の大合唱が巻き起こったと伝えられています。
この「行け、我が想いよ」は今日、イタリア第2の国歌としてイタリア人に深く愛されています。
このように概ね幸福な人生を歩み、イタリアの英雄的存在であったヴェルディに対し、ワーグナーは、自身の浪費癖と相まって、常に資金難と闘わざるを得ず、負債まみれで借金とりから逃れるために住まいも転々としと、人物としての評判はすこぶる悪かったようです。
また思想的にも危険な毒をはらんでおり、熱狂的な支持者(ワグネリアンと呼ばれていますが)が多数存在する一方、万人に支持される楽劇ではありませんでした。

このような対照的な2人ではありますが、今日この2人のオペラは、最も公演回数も多く、世界中に熱狂的な支持者を獲得しています。
作曲家は残された音楽の価値がすべてと言ってよく、この2人のオペラが今日でもそのように支持を得ているのは、まさに彼らの音楽と劇性そのものです。

僕はどちらのオペラも大好きですが、人にお奨めするとすれば、やはりヴェルディの方でしょうか・・・
「リゴレット」や「オテロ」「椿姫」を是非一度視聴してほしいと思います。「リゴレット」は好きで、自分でも歌っていたりしますが、なんて感情移入しやすい、深くて美しいメロディなのだろうと、歌いながら自分自身が一番感動したりしています。
ワーグナーは「トリスタンとイゾルデ」や「ローエングリン」は比較的聴き易いと思いますが、全篇13時間以上に及ぶ「ニーベルングの指輪」を、勇気ある方は是非チャレンジしてみてほしいと思います。無二の世界がそこにはあります。

コンタクトセンター 山口

  • このエントリーをはてなブックマークに追加する
  • Twitterでつぶやく

ページの先頭へ戻る