コンタクトセンターの西村です。
中学校の時の国語の授業で、印象に残っている授業があります。
「生まれつき目の見えない同級生に、今日の空はどんな色の空か教えてあげてください」
毎年、その先生の年度初めの最初の授業はこのお題での作文でした。
「青色です」(晴れ)、「灰色です」(曇り)と言いたいとこなのですが、その人は青色や灰色という色自体見たことがなく、どんな色なのか分からないため、今度は青色や灰色っていうのがどういう色なのかを説明してあげなければいけません。
「今日は海と同じ色です」にすると、海を目にしたことがないため、海とはどんな色をしたものなのかも分からず、理解してもらうことができません。
自分が知っている色や目にしたことがあるものは使えず、どうすればいいのか悩んだものですが、結局今日の空見た時にどんな気がするか、どんな気持ちになるか、どう感じるものなのかであれば共有できるだろうと思い、「こんな気分や気持ちになる色です」としました。
正解はない作文で、一見単純そうなのですが、どうすればいいのか考え、それを表現しなければいけなくて、またその人のパーソナリティも出ると思うのでなかなか面白いお題だったと今も印象に残ってます。
自分の常識だけでは伝えられないことをどうやって伝えるか、共有できるものはどこにあるのか、どう表現すればより近く伝えることができるのか。
コンタクトセンターは、そんな今日の空の色を伝える仕事でもあるんだと思ってます。