アクチュアリー・クラブ

投稿者:
ライフネット生命 スタッフ

アクチュアリーとは、保険料の計算などを行う数理業務の専門職。アクチュアリーになるには資格試験にパスすることが必要で、全て合格するのに平均8年かかると言われる忍耐力が必要な試験です。

カナダの大学院に留学していた頃のこと。一時期、Actuarial Science Clubに所属していました。アクチュアリーになるのに時間がかかるというのは万国共通。カナダのアクチュアリー試験も例外ではありませんでした。ただ、日本と違い、北米にはアクチュアリー・クラブを持つ大学が多いのが特徴的。時折、保険会社などで働くアクチュアリーを招いた講演もありましたが、基本的にはアクチュアリー試験にパスするために、先輩が後輩を教える、そんなクラブでした。

アクチュアリー・クラブには横の繋がりもありました。学生が持ち回りで、ASNA(Actuarial Students’ National Association)と呼ばれる大会を企画していました。そこには、カナダ全土のアクチュアリーを目指す学生が一堂に会し、保険会社やコンサルティング会社で働くアクチュアリーに直接質問したり、一緒にゲームをしたり、採用面接を受けたり、学生にとって非常に貴重な機会になっていたようです。

日本の学生にも似たような機会を提供したいという想いを胸に帰国したところ、アクチュアリー受験研究会と言うネット上のコミュニティが発足していることに気付きました。月一で勉強会を開催していたので、帰国の月に早速お邪魔することに。最初のミーティングは10名程度で、アクチュアリーを目指す学生や他業界の人も参加していました。大手の保険会社などでは、社内の受験生向けに独自のアクチュアリー試験対策を実施していることが通常です。でも、そのような環境にある受験生と、そうではない受験生に情報格差が生まれてしまうので、そのギャップを埋めるべく、この研究会に参加することにしました。現在もボランティアで参加し、アクチュアリー試験、留学、仕事の話をするようにしています。そして、現在は360人を超える会員を抱える大きな組織になっています。(ちなみに、アクチュアリー正会員は1300人程度です)

ボランティアの団体なので、区民館などを探して、皆で費用を負担しながら勉強していました。そこで、昨年から勉強会をライフネットの会議室で行う提案をしたところ、凄く喜んでくれました。今年も3月から勉強会を開始しますので、興味ある方は是非遊びに来て下さい。

また、今年からCERA(Chartered Enterprise Risk Actuary)というリスク管理の新しい資格が日本に創設されます。久しぶりの受験生に戻った気持ちで、10年ぶりに受験勉強しているところです。ただ、10年前のように、1人で孤独に勉強する時代から、世の中は相当変化していると思います。僕も、自分が勉強した内容を、このアクチュアリー受験研究会でシェアし、自分の理解を深化させるとともに、他の受験生の理解度アップに繋げるというスタイルで勉強していくつもりです。このスタイルのメリットは、講義を行う期限が小刻みにやってくるので、試験直前に慌てることなく計画的に準備できる点にあります。また、何よりも、1人で孤独に勉強するよりも楽しいというのが最大のメリットです。

最近読んだ本で、ソーシャル・ラーニングという言葉を見かけました。自身の社会的なネットワークの質を最適化し、組織を超えて互いに学習し合うための環境を作っていくという考え方です。個人が互いの知識をシェアすることによって、個人の競争力も磨かれ、そして結果的に組織も生まれ変わるかもしれません。この考え方を、現在CERAという資格試験に試しています。今年の10月に試験があるので、日本での試験の最初の合格者を目指し、ソーシャル・ラーニングに勤しみます。
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リスク管理部 藤澤


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