走るということ

投稿者:
ライフネット生命 スタッフ

こんにちは。経理部の成相です。

「BORN TO RUN 走るために生まれたウルトラランナーVS人類最強の“走る民族”」を読みました。
ランニングに関心がない方でも楽しめ、読後にはつい走り出したくなるおすすめの1冊です。

本書に登場する人類最強の走る民族とは、メキシコの辺境に住むタラウマラ族で、山岳を長時間にわたって走ることができます。
彼らの持久力は凄まじく、言い伝えによれば、480キロを一気に走ったランナーもいると言われています。480キロというのは、立て続けにフルマラソンを12回走った計算になります。

なぜ、タラウマラ族はそんなに長時間走ることができるのでしょうか。

動物性タンパク質をとらず豆や野菜などを中心とした食生活をしていることが理由の一つとしてあげられますが、彼らの“ランニングシューズ”にも非常に特徴があります。
彼らは、自家製のほとんどビーチサンダルのような底の薄い履物を履いて走るのです。

踵部分に厚めのクッションがある現代のランニングシューズは、走る際に踵から着地することを前提に作られているそうですが、人間の足の構造からすると踵から着地するのは足に負担がかかり土踏まずの前の部分から着地するのが適しているそうです。
タラウマラ族は、底の薄い履物を履くことで人間に適した走り方を自然と身につけているのです。
実際に、裸足感覚の底の薄いシューズ若しくは裸足で走ったほうが、踵などが厚くなっているシューズよりも、人間の足に適した走り方をするようになり、怪我が少ないなどの研究結果も出ているようです。

僕も、裸足感覚のシューズを早速買ってみました。僕が買ったのは、イタリアのビブラム社の5本指シューズです。

靴底はかなり薄いです。
110609①.JPG
足の裏はこんな感じです。
110609②.JPG
5本指シューズで皇居をランニングしてみたのですが、走った後すぐに普段は痛くならないふくらはぎが筋肉痛になり、普段使われていない筋肉が使われたことを実感できました(単に走り方が悪いだけかもしれませんが)。

ただ、この本を読んで一番驚いたのは、ヒトがかつて獲物を走り追い回すことによって素手で肉を獲得していたという話です。

その本によれば、弓矢が発明されたのは2万年前で、槍の穂先は20万年前、我々の祖先であるホモ・エレクトゥスが登場したのは、200万年前と言われています。
つまり、ヒトは出現してから殆どの時間-200万年近くも-獲物を追い回して疲れさせることによって肉を食べていたのです。ヒトの持久力は他の動物を圧倒しているため、瞬発力ではかなわなかったとしても持久力という武器を使って狩りをしていたのです。当時は、裸足かそれに近い状態で“狩り”をしていたと思いますので、裸足に近い感覚のシューズがヒトの体に合うというのもうなずけます。

日本人は農耕民族、欧米人は狩猟民族と言われますが、もっと遡ればヒトは“走る民族”で、我々の祖先は“生きるために走っていた”のです。
多くの現代人が走ることに関心を持ち、走ることで健康になると言われているのも、我々のルーツを辿っていけば当然の話かもしれません。

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