一人称には何を使うべきか。
というのがちょっとした悩みである。
「僕」を使うと幼く見える気がするし、
かといって「私」を使うほどしっかりした感じでもない。
粋じゃないので「オレ」と言ってもサマにならないし、
「わて」なんてもってのほかだ。
では自分のことをなんて呼べばいいのだろう。
小学生くらいの頃は、マンガの影響で「オラ」とか「おいら」だった気がする。
中高は、似合わないながらにカッコつけて「オレ」だったかな。
そして、大学の頃から、後輩が使っていたのを半ばマネして、
自分のことを「自分」と言うようになった。
張り切って「自分は○○であります！」なんて言うと、ちょっと応援団ぽい気もするが、
聞こえるかどうかギリギリの声量ではそんな印象も与えまい。
ただ、「自分」という一人称を使うときは要注意である。
例えば、
「それは自分にしかわからない」
と言った場合、「それ」をわかっているのは話し手だけなのか、
それとも、聞き手も含めて各個人がそれぞれの真理を持っているということなのか。
多くの場合は文脈から判別できると思うけれども、誤解を招かない程度の配慮はすべきだ。
とすると、やはり「自分」以外の一人称も用意しておく必要がある。
まいった、また振り出しに戻ってきてしまった。
片切 嘉は今日も一人称の選択に悩んでいます。
