ここ最近というか随分と以前からですが、テクノロジーの発展が目覚ましいです。
今後も考えられないような可能性が切り拓かれて行くことと思います。
今回はそのテクノロジーが酒造りに活かされているシーンについて触れたいと思います。
古来様々なアルコールは偶然の産物、つまり 「何か出来ちゃってた」 のところから、更なる偶然や、或いは造り手達の工夫により改良や新生を重ねてきた歴史かと思っています。
造り手達の工夫については、醸造学や菌についての認識が未発達の状況下では、実体験の試行錯誤を繰り返して改良が進められた事でしょう。
そこから酒造りに活かされるテクノロジーは、それまで目に見えなかった、認識出来ていなかった要素を分析や調整出来たりする事で改良に繋げる方法、という役割を担っているのだと思います。
つまり、お酒の改良や新生にテクノロジーが直結するというより、それを飛躍的に助ける機能がテクノロジーなのではないかと。
とはいえ、現代のテクノロジーがなければ造れないお酒も沢山ある訳で、だらだらと自身の考察を書くより、実際のテクノロジーの活用の内容に移りたいと思います。
の前に、ある酒造メーカーは社名に「バイオケミカル クリエイション」という文言が入っているくらいなので、テクノロジーの活用推して知るべし、です。
ではアルコールの中でも、日本酒に係わる事案を2つ程。
■もろみの温度管理ソリューション
段階やメーカーの規模によっても異なりますが、仕込みの時期は丁寧・繊細な管理が必要となり大変です。その大変さを軽減するソリューションがあるようです。
もろみなどの温度管理は大切な為、深夜であっても確認にいったり手当てしたりする必要があります。それをタンクにセンサーをつけ、モニタリングし所定の状態となった時に、スマホにアラート通知される仕組みです。
これにより温度確認や記録の工数が削減出来、それまで以上に精緻な温度の履歴確認も可能となります。夜もまとまった睡眠が取れ、体への負荷も減らせます。
■特殊ゼオライト膜の使用
お酒の旨味とアルコール分を凝縮させる為、水分を抜き取るのに使われています。
出来あがったお酒は、蔵元とある化学メーカーの共同開発という触れ込みになっています。
水分子はその他の日本酒に含まれる成分よりも小さい為、その膜を透過させる事で、水分のみ抜き取りお酒の成分を凝縮させます。
コンマ数ナノメートルという非常に小さなサイズのお話しです。
因みに、アルコール度数が相当上がった為、酒税法の括りでは「日本酒」と出来ず、「雑酒」になってしまうようです。
更に因みにですが、昨年の伊勢志摩サミットで食後酒と供されたお酒です。
如何でしたでしょうか?
自身では日頃、美味しければ仮に何が入っていても良い、という少し乱雑な考えももっていますが、丁寧なテクノロジー活用の上で造られたお酒は、そのエピソードを聞くだけでも魅力を帯びるものでしょうか。
これからも引き続き、テクノロジーの活用に注目していきたいと思います!
畑野
※お酒は楽しく適量を