初、ブラインドサッカー体験記

投稿者:
ライフネット生命 スタッフ

こんにちは、総務部の関根です。
先日、スポーツマンの総務部長に誘われて部のメンバーとともにブラインドサッカーの体験をしてきました。

ブラインドサッカーは、フィールドプレーヤーとなる視覚障がい者4名と健常者キーパーの5名1チームでおこない、鈴の入ったボールの音と周りの声を頼りにゴールを奪いあう競技で、2004年からパラリンピックの競技種目にもなっているそうです。
アイマスクで目隠しをした選手同士が接触する機会が多分にあるチーム競技であることから、コミュニケーション、チームビルディング、ダイバーシティ理解など日常生活にいかせる新たな気づきが多いために、企業の研修プログラムや小学校から高校までの教育プログラムとして取り扱われる機会が増えているとのことです。

ということで、“サッカー”の響きから、もう何年も運動らしい運動をしていない私はついていけるのかしらなどと勝手な心配をしつつ促されるままに会場へ足を運んでみたのでした(体験するまでは目隠しをして体を動かすことがどんなことなのかなどイメージすらしていませんでした・・)。

体験の参加者は大学生~社会人の計30名程度でした。
2人一組で1人が目隠しをして相手の声を頼りに歩いたりジャンプしたり、6人一組のチームをつくり、そのうちの4人が1辺3メートル程度の正方形を作るように立って音の鳴るボールをパスしていき、1人が正方形の内側で目隠しをして動く1人に音と声でボールのある場所を知らせ、その人がボールにタッチできる回数を競ったりします。私が最も印象的だったプログラムは、参加者全員が目隠しをして黒色の服を着ている人とそれ以外の色の服を着ている人で分かれてみましょう、というものです。
スタートの合図をきっかけに、私の周りでは「黒色の人いませんか~?」という声と「はい!」「ここです!」「黒です!」という声が響き渡り、人が移動する気配を感じます。ちなみに私は、白色の服を着ていたのですが、黒しか聞こえず身動きを取ることができません。かといって、さまざまな声が交わる中で、それよりも大きな声を発する勇気もなかったのです。しばらくは、気配をかんじつつ自分からどこに向かって何と声を発すればいいのかと迷ったままずっとたたずんでいました。
そうこうしているうちに、たちまち静かになってしまい・・慌てて私は「黒じゃない人いませんか・・・?」とやっと声を発したのでした。
すると、「ここだよ」「こっちですよ~」と何人かの声が聞こえ、声のする方向に手を前に出しながらよたよた歩き、やっと仲間の手をつかむことが出来たのでした。

目が見えない環境は、声を出さないと存在すら気づいてもらえないし何も伝わらないということと、周りの人はとてもよく話を聞いてくれてすぐに言葉を返してくれるし、手を出して存在を知らせ合おうとすることを意識するのだと、理屈ではなく体で認識することができたのでした。振り返ってみると、日常生活では見知った関係の中では2~3割伝えれば全部理解してくれるのではないかとか、少し話を聞いただけで相手はこんなことを言いたいのではないかなど、良くも悪くも自分本位に理解している場面が多い気がしますが、コミュニケーションの基本は、きちんと伝えること、きちんと理解しようとするために耳を傾けること、きちんとリアクションを返すことではないかと考えさせられました。当たり前と思っていることが、何かひとつを封印することで当たり前ではないことに気づかされる機会でした。
プログラム中に多くの参加者と手を取り合う機会がたくさんありましたが、手の温度や感触が1人1人こんなにも違うのか、という発見も新鮮でした。
ちなみに、目隠しをしたままサッカーができるようなレベルには到底及ばず、走るのもままならないまま終わりましたので、運動ブランクの心配は無用でした。
3月 関根さん.jpg

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