9月1日に入社した伊藤です。マーケティング部でWeb解析やSEOを担当しております。
前職ではWebメディアでリサーチやWeb解析をしておりました。
1986年生まれの27歳です。いわゆるハチロク世代
と呼ばれるクラスタになります。
mixiの笠原前社長やはてなの近藤社長など、日本のネットベンチャーにおけるロールモデルとなった方々が1976年前後の生まれだったため、彼らはナナロク世代と呼ばれました。ハチロク世代はそこから名前を拝借したもののようです。
ハチロク世代と言っても、ではその世代の人間が何を成したのかといえば、「この人がこれをやった」と挙げるのは難しかったりします。ナナロク世代のようにベンチャーの雄として名を上げた人が多いわけではない。あえて言うとすればリブセンスの村上社長でしょうか。代わりにというわけではないですが、20歳後半でウェブサービスのプロデューサーを任され、上手くヒットさせている人は多くいます。彼らは起業して一旗上げるタイプではないですが、ユーザーの立場に降りつつ、ビジネスに繋げるのはとても得意です。
ナナロク世代は技術力を武器に日本のネットベンチャーを引っ張りましたが、ハチロク世代の武器は「文化」です。僕の実家にネットが通じたのは14歳の時でした。以来13年間、ブログやソーシャルメディアはもちろん、HTML直打ちのテキストサイトから、ガラケーの学校裏サイトまで、様々なネットの文化を享受してきました。ナナロク世代が創りだしたサービスを、大学時代にさんざん遊び倒したのも、僕らの世代です。そういえばネット周りで有名なハチロク世代として、はあちゅう氏やイケダハヤト氏も挙げられるでしょう。彼らもまた、ある種のネット的な文化を体現しています。
ハチロク世代は、ネット文化の最も豊かな享受者です。若くしてウェブサービスのプロデューサやディレクターなど、ユーザー目線の欠かせない立場で活躍する人が多いのは、そういう理由なのだと思っています。
さてさんざん他人をダシに書いて来ましたが、自分の話をしていませんでした。僕が前職を離れたのは、Web解析なりSEOの仕事をこの先やっていく際、メディアよりはもう少し仕組みで勝負する場所にいたほうがいいだろうという、ごく普通の理由からでした。メディアはコンテンツの良し悪しが仕組みの良し悪しより重要なわけで、解析やSEOといった領域がビジネスに与えられる影響は相対的に低くなります。当たり前といえば当たり前なのですが、問題は行き先です。色々と理屈を付けて方向性を選べるといえば選べる職種だったので、あれこれ考えたのですが、軸としては「ネットを使って何らかのイノベーションを起こしてきた企業」でした。というのもイケイケのスタートアップはわざわざウェブ解析やSEOの担当者を専任で雇う余裕はないですし、そういうところはほぼスタートアップメンバーの大体or一部がある程度見識を持っています。かといってガチガチの大企業となると、今度は役割が細分化/固定化されていることもあるし……。ということで、これまでネットを使って何かイノベーションを起こしてきた企業で、かつさらなる拡大のためにウェブ解析やSEOの業務担当者を欲しがっているところ、となります。
もちろんそんな企業は多くはないわけで、上手くいくかは半々程度だと思って転職活動をはじめたのですが、進めていくうちにちょっと意外なことがありました。それは上記の条件を満たす企業が、もはやいわゆる「ネット企業」に限らなかった、ということです。O2Oという言葉もありますが、もはやネットはネット企業のものだけではなくなりました。BtoC/BtoB問わず、マーケティング/基幹業務問わず、企業がネットを使いこなすのは当たり前になりました。転職活動中に、スポーツ用品メーカーから製造業まで、非ネット企業がネット関連の人材を募集しているのを目の当たりにしました。ネット企業も、スマホを突破口として、いかにネットとリアルを繋ぐかに腐心していました。
ライフネット生命も、そのうちの一つでした。新卒の就活時代はもともとネット企業とメディア企業を受けていて、「そういやネットでメディアやってる会社があるじゃないか」と受けたら縁があったのが前職でした。そんな4年半前の自分に、将来生命保険会社に入ると言ってもまず信じないでしょう。この4年5年で大きくネットを取り巻く環境が変わったことを感じる転職活動でした。