新卒社員の面接や入社の季節になると、よく思い出す学生がいます。
僕自身が最初に入った会社では当時、新卒採用の季節にリクルーターと呼ばれる組織がありました。
いろんな部署の若い社員が数十人、人事部付きで3か月ほど、新卒採用のみを専属で行います。
15年ほども前になりますが、僕はそれに属して、大阪で朝と夜は面談のアポ取りの電話を、日中は面接を、土日もなく行っていました。
僕らが担当するのは一次面接で、自社への勧誘という目的も持っているので、素晴らしい会社であると自己暗示をかけるようにして面接に臨み、良さそうな学生を次の面接へとすすめます。
その結果採りたい!、という学生に迷いがあると、機会を作って話したりもしました。
そんな中にA君がいて、A君は確かゼネコンとの間で迷っていたと思います。
大阪での採用の責任者であったTさんが、A君は是非来てもらいたい、と週末に会社近くで3人で飲みにいくこととなりました。
そこでどんな話をしたかはとうに忘れてしまいましたが、ただ僕は途中で気分が悪くなり店の外に出て、御堂筋の歩道脇で横になり寝てしまったことを覚えています。
明け方近くに雨で目が覚め、店に2人はいなかったか、店は閉まっていたかで、オフィスに戻りもうひと眠りして帰りました。
翌週Tさんに謝り、その後を聞くと、Tさんは酔いつぶれたA君をTさん宅に連れ帰り、翌朝A君はTさんの家族と共に朝食をとり、帰って行ったそうです。
Tさん、やりすぎだろう、と思いましたがA君は内定を受諾し、丁寧にも暑中見舞いと年賀状を送ってくれて、翌年4月にめでたく入社し、そして同年の7月に僕はその会社を辞めました。
辞める直前、A君のもとに行って事情を話すと、「僕のあの就職活動はなんだったんすか?!」と冗談混じり(と思いたい)で言われた記憶があります。
A君、もう30後半だよなぁ。今頃どうしているのだろう。
新入社員の皆さま、入社、おめでとうございます。
お客さまサービス部 馬場