とある朝のラッシュ時、羽田空港 第2ターミナル 保安検査場A にて
沖縄便に乗るために行列にならんでいたときのこと。
ボケーっとしているとすでに出発時刻の10分前。
地上係員のお姉さんに伝えると、緊急事態であることがわかるぐらいの様相。
すぐさま、無線(カンパニーレディオ)で搭乗口の係員に連絡。
『18ホテルのお客さまが保安検査場にいます。』
滅多に聞くことはないフレーズにニヤけてしまう自分。
『やるなぁ、お姉さん。今ホテルって言ったよね?ねぇ?』と心の中でぼやく。
これはフォネティックコードと呼ばれる無線通話で使用される規則で、
A(アルファ)、B(ブラボー)…そして、H(ホテル)という感じで、座席番号が18Hということです。急いで保安検査を終えると、地上係員のお姉さんのスイッチが切り替わる。
『走りますので』と僕に告げるなり、いきなり猛ダッシュ。
迷惑をかけているので、ゆっくりついていくわけにもいかず…平気な振りをしながら走る。
目的地は57番搭乗口。そこはターミナルの端っこ近く。とても遠いのです。
保安検査場Aからだとおそらく400mぐらいの距離。
お姉さんはとにかく早く、ときどき後ろを振り返りながら自分の様子をうかがっている。
無心で、2つのコーナー?を曲がる。ただひたすらに。のどはカラカラ、そして吐き気も。
陸上の中でも無酸素運動で過酷といわれる400mダッシュが空港ターミナル内で開催されたのでした。
なんとか無事に搭乗口についてホッとする間もなく、悲しい現実を知ることに。
搭乗口では急いでいる感がなく、たった今走ってきた通路をゆったりと歩いてくる人がいる始末。
『もしかして、そこまで猛ダッシュする必要なかったんじゃないの…ねぇ、お姉さん。』
早朝からパンプスで走らせておいて、そんなことを言えるわけもなく、
申し訳なさと、気持ち悪さでいっぱいのフライトとなりました。
今回の緊急時の対応は、マニュアル化されていたのか、担当者の裁量であったのか
こんなことを考えた1日でした。
商品開発部の杉田でした。