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デグチがWatch

デグチがWatch 生命保険業界のオピニオンリーダー・出口治明が、生保について鋭くやさしく語ります!

マイナス金利とは何か

投稿者:
出口治明

日本銀行(以下、日銀)が導入したマイナス金利が市中の話題になっています。そこで、今回はマイナス金利について考えてみたいと思います。

1.マイナス金利の意味

一昔前の日本では、給与は毎月現金で支払われていました。僕の初任給は(1972年)、たしか4万8,000円だったと記憶しています(話を単純化するために、給与=手取りと仮定)。僕は、8,000円を財布に入れ、残りの4万円を銀行に預けました。

銀行は、例えてみれば大きな貸金庫のようなものですから、普通は保管料を取られるはずです。ところが、銀行は僕の預けた4万円を、資金を必要としている企業に年利10%で貸し付けます。すると、4万円×10%=4,000円の利息が入ります。銀行はその4,000円の内、3,200円を保管料(銀行の経費)に当て、残りの800円を僕に利息として返してくれます。すると、僕が受け取る利息は、年利2%(800円÷4万円)となります。

貸出金利10%と預金利息2%の差8%を「利ざや」と呼んでいますが、銀行は「利ざや」で銀行経営に必要な経費を賄っています。これに対して保険会社は、お客さまからいただく保険料の中に経費(付加保険料)を組み込んでいます。

次に、企業はどうして銀行からお金を借りるのでしょう。それは、企業がお金をもっていないからであり、かつ、金利10%でお金を借りてもそれ以上(15%とか20%とか)もうかると考えているからです。もうけが仮に5%なら、10%でお金を借りる人はどこにもいませんね。

企業がお金持ちになりかつそのお金で投資をしてもあまりもうからないようになると、企業はお金を借りなくなり、借りてもらうためにその結果として金利は低くなっていきます。すると、利ざやは小さくなります。そこで銀行は、昔は無料だった送金手数料やATM利用手数料を取るようになります。それでも銀行の経費が賄えなくなると、銀行は貸金庫保管料を取りたいと考えるようになります。これがマイナス金利です。貸金庫保管料が仮に2%かかるとすると、僕の4万円は800円差し引かれて、1年後には3万9,200円になってしまうというわけです。

2.日銀のマイナス金利政策とは何か

次に日銀のマイナス金利政策を考えてみましょう。日銀は銀行の銀行です。銀行も僕と同じように、当面使わないお金を日銀に預けようとします。そこで、銀行が預けているお金にマイナス金利を日銀が付ければ、預けているお金が減ってしまうので、銀行は必死で貸出先を探すようになり、その結果、企業はお金を借りて経済活動が活発になり景気が良くなるのではないかと日銀は考えたのです。

もっとも、反論がない訳ではありません。企業がお金をいっぱい持っていたり、銀行からお金を借りて投資をしてももうからないと考えれば、銀行がいくら貸出先を探しても、銀行からお金を借りる企業は出てこないでしょう。

このように日銀のマイナス金利政策については、経済学者の間でも意見は大きく割れているのが実情です。

なお、日銀は銀行の一部の預金に対してのみマイナス金利を付しているだけで、個人の預金は対象外ですので、当面心配することは何もないと思います。

3.マイナス金利はライフネット生命にどのような影響があるか

ライフネット生命の死亡保険や医療保険は保障機能に特化した商品でその本質は掛け捨てです。皆さんは、毎月の給与から社会保険料(健康保険料)を引かれているでしょう。そのおかげで病気になった時、病院に払う治療費は原則3割負担で済みます。病気をせず病院に行かないと、その健康保険料は掛け捨てになりますが、掛け捨てがいやだからと言って、わざわざ病気になりたいと思う人はいないでしょう。これが保険の本質なのです。

ライフネット生命が販売している生命保険は、保障機能に特化した、掛け捨て商品ばかりです。もし、お客さまにお金をお返しする貯蓄型保険をたくさん販売していれば、マイナス金利の状況ではお金の運用が大変になります。即ち、ライフネット生命は貯蓄型保険を販売している生命保険会社に比べればマイナス金利の影響は軽微であると言っていいでしょう。

4.72のルールを覚えよう

金利の複利効果を表す「72のルール」というとても便利な公式があります。「72÷金利=元本が倍になる年数」というシンプルな公式です。お金は金利が金利を生んで(複利効果)雪だるま(スノーボール)がころがってふくれあがっていくように増えていきます。僕が勤め始めた頃の長期金利は8%以上ありましたので、72÷8=9年、つまり9年で元本が2倍、例えば100万円が200万円になったのです。こういう高度成長≒高金利の時代は、生命保険で貯蓄を行うことが合理的でした。ところが低金利時代に入ると事情は全く異なってきます。

金利が
1%なら、72÷1%=72年
0.1%なら、72÷0.1%=720年
0.01%なら、72÷0.01%=7200年

つまり、現在の超低金利の状態が続けば雪だるまが大きくなるには、石器時代から現在までと同じ位の時間が必要ですしかも、生命保険料には前述したように会社の経費(付加保険料)が組み込まれています。仮に付加保険料が保険料の10%としたら、お客様が支払った保険料(仮に1万円)の内、9,000円しか貯蓄に回せないので、超低金利の下では、元本(1万円)に戻ることさえ困難です。

金利が低くなると雪だるまは大きくなりません。マーケットはそのことをよく知っています。これは世界共通ですが、中央銀行が金利を下げると、株価は上昇します。スノーボールがふくらまなくなったので、リスクを取って変動商品に乗り換えるしか方法がないとみんなが考えるからです。人間の寿命を考えると、とても7200年は待てませんからね。逆に中央銀行が金利を上げると株価は下落します。これは、これからはスノーボールがふくらむぞ、リスクをとって変動商品に投資する必要はないぞ、とみんなが考えるからです。

これが、「低金利の時代は、生命保険は掛け捨てで、貯蓄は投資信託のような変動商品で」と僕が考える理由です。つまり、現在においては保険と貯蓄は分けて考えるべきなのです。

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