ここから本文です

デグチがWatch

デグチがWatch 生命保険業界のオピニオンリーダー・出口治明が、生保について鋭くやさしく語ります!

出口の真っ正直インタビュー 木暮 太一(こぐれたいち)編

投稿者:
ライフネット生命 スタッフ

真っ正直インタビュー第31回目は、『カイジ「命より重い!」お金の話』(サンマーク出版)、『伝え方の教科書』(WAVE出版)などの数多くの本を執筆されている経済ジャーナリストの木暮太一さんです。「難しいことを簡単に説明する」ことで定評のある木暮さんに、お金の知識や教育についてのお話をお伺いしました。

-「お金の知識があれば、お金のせいで追い詰められて、苦しい気持ちや状況にある人たちが救われる。ただその勉強を始めるのが、40歳になってからでは遅いと思います。(木暮)」-

出口: さっそくですが、木暮さんにとって「お金」とは?

木暮: 最低限のお金がある前提で、あとは「いくらあっても裕福にも幸福にもならないもの」。だから、あまりお金に関しては気にしていません。でも最近、悪い意味でお金に執着しない人が多い。カイジのように、自分で100の力しかないのに、200使ってしまって、どうにかなるだろう…という。

出口: お金に対しての基本的な知識を身につけてこなかったのでしょうね。僕がサラリーマンになったばっかりの頃は、「寮先輩」という一緒に寮にいる2~3つ年上の先輩が、日々の色々な生活の指導をしてくれていました。ご飯もごちそうしてくれ、飲みに行くと、「借金は絶対にしてはあかん」や「毎朝、必ず複数の新聞を読め」などと、社会的なノウハウを教えてくれたのです。後からちゃんと勉強したときに、先輩には「財産三分法」を教えてもらったのだな、と思ったことがありました。

木暮: なるほど。確かに、日本ならではの先輩後輩というシステムがどんどんと崩れていますね。崩れて良い面もありますけど、もちろん悪い面もあり、出口さんの寮先輩のように飲みながら後輩に様々な知識を伝授していくようなことも、昔に比べて少なくなっているのかもしれません。

出口: そう思います。先輩後輩というシステムが薄れ、それに代わる学校教育とか社会人教育をする場がなくなり、一つの空白が生まれてしまったのだと感じます。昔は会社が1つの共同体であり、地域もまた共同体であり、生きる知恵とかお金という社会生活にもっとも必要なものに対する知識が伝承されていたのですが。

木暮: そうですね。昔は学校ではあまりお金についての話はしていなかったのだと思いますが、社会に出て、現場で学べたことが、今の時代では学べなくなり、それを危惧し、最近では学校でマネー教育をするようになっているらしいです。マネー教育の教材を見せてもらったのですが、内容がとても難しかったです。「リスク分散について」など、これを中学生に読ませようとしているの?と思ってしまうほど、教材の中身は難しいのです。

出口: そもそも中学生からそういう授業が必要なのでしょうか。僕は、高校生からでも良いと思います。

木暮: 確かに、高校生や大学生くらいからでも遅くはないかもしれません。あと、お金の話はつまらないと思えてしまうことも、ハードルの一つですね。大学の授業では、ちょっと楽しげな株のシミュレーションなどは皆が乗り気でやるのですが、原理原則を知るとか、本当に大事な基本的のところは比較的退屈になりがちなので、先生は教えたがらないし、学生も興味がなく、結局授業が破たんしてしまう、という状況らしいです。僕は経済学部だったので金融論などの授業もありましたが、原則原理にはあまり触れず、デリバティブの話を先にされました。

出口: そうですか。そういう話もいいですが、そもそものお金のことや、年金や国債、税金などを理解していない人が多過ぎますね。当たり前のことを誰も教えてくれないまま大人になったのだと思います。

木暮: そう、なので「自分のお金をどう考えていけばいいのか」という哲学の部分が一切抜け落ちてしまっている。だからお金に気軽に接してしまって、例えば借金をするときに、一番にサラ金を選んでしまうのです。理由は、サラ金のイメージがいいから。今、日本で消費者ローンの利用経験者は8人に1人。複数の金融機関から借金している多重債務者は107万人もいるんですよ。

出口: 6割程度でいいから、保険や投資信託などお金に関わる知識をみんなが理解して、まともな使い方ができるようにするだけでずいぶん違うでしょうね。

木暮: はい。そうなれば、お金のせいで追い詰められて、苦しい気持ちや状況にある人たちが救われる。ただその勉強を始めるのが、40歳になってからでは遅いと思うんですよ…。お金はどういうもので、お金を持っていることはどういうことで、持っていないとはどういうことか。自分のお金をどう考えていけばいいのか。こういう部分についてもちゃんと勉強してほしいですね。

出口: 借金はしない。収入が20なら、20で生活することが原則だ、と教えないといけないんですよね。そういう教育が大事なのだと思います。

木暮: そうなのです。身の丈で生きるということを忘れがちなのだと思います。身の丈より少し背伸びをすると、一瞬はハッピーだったりするのですが、それが一瞬の出来事だと気付かないと、一生それを繰り返してしまうのですよね。

-「木暮さんは「難しいお金の話でも分かりやすく説明する」プロですが、ライフネット生命も同じ「わかりやすさ」の追求を常に意識しています。(出口)」-

出口: 木暮さんの「わかりやすく説明すること」の原点は、どこにあるのですか。

木暮: 僕は中学2年生のときから、人にわかりやすく説明をすることに喜びを感じていて、友達に勉強を教えることがとても好きでした。公立の中学校だったので進学校に行く生徒もいれば、まったく授業に来ない生徒もいて、色々な同級生がいました。普段は学校に来ない生徒もテストを受けるので、テスト前になると勉強を教えてほしいと僕のところに来るのです。あんまり勉強していないし頭が悪いのかな、と思いきや、ちゃんと説明するとわかってくれます。そうすると自分もすごく嬉しくて、相手もわからなかったことがわかって面白くなって、前向きになったりするのです。そんないいことはない、とその頃から思うようになりました。

出口: わかるということは、楽しいことですから。

木暮: そうなのです。人を前向きにする、非常に大事なことだ、と当時から思っていました。ただ、まだ中学2年生だったので、どうしたら「わかりやすい」状態にできるかを体系的に考えることができなかったのです。その後、予備校のとある先生の授業を一年間受けて、「わかりやすさってこういうことなんだ」と学びました。それをもとに色々と本を書くようになったのです。

出口: その先生の教え方が上手だったのですね。そのときからずっとわかりやすく説明することを追求される中で、今はどのようなことを意識して説明をしているのですか。

木暮: 一番大事にしていることは、「誰」に「何」を伝えたいかを最初に決めることです。そして相手が理解できるように情報を加工して伝えることをとても注意して行っています。その際には、相手がイメージしやすい言葉を使うことが大原則です。使っている言葉が100%正しいかどうかより、その言葉を言ったときに、相手が「あ、そういうことね」とイメージが沸く言葉を選んで使っています。また、その相手が受け取れるだけの情報量に調整して渡すことが大事なことです。だから、毎回100%正確に、とは考えていません。例えば、小学生に国債のことを話すときは、「国債は借金のことです」と説明するのですが、厳密に言うとこれは正確ではないですよね。借金は第3者に渡せないけど、国債は日常的に売買できる、などと、違いはたくさんあります。ただ、そのような違いについて小学生に説明しても混乱してわからないので、何を一番伝えたいかを絞って、説明しています。

出口: それはまったく同感です。僕は全て6:4と言っています。要するに、6割理解できれば、十分なのです。全てを100%正確に定義して議論していたら、専門書になってしまい、ほとんどの人は退屈して読んだり聞いたりしなくなってしまいます。ライフネット生命という会社についてや、生命保険についても同じです。6割でもいいから、全体の姿を知ってほしいという気持ちがとても強いです。ですが、「わかりやすさ」はとても難しくて、僕も今まで色々と試行錯誤しています。

木暮: ビジネス界ではそういう方がたくさんいらっしゃると思います。アカデミックの世界や専門家の方々は、自分がたくさん知っているが故に、話の幹だけでなく、枝やその先の葉っぱの話をたくさん伝え過ぎて、結果としてわかりにくい話になってしまうのだと思います。

出口: 僕は、それを「断捨離」と呼んでいます。枝葉を捨て去ることだと。でも、これは実はとても難しいことなのです。

木暮: おっしゃる通り、非常に難しいと思います。なので、最初に「誰」に「何」を伝えたいかを決めてしまっています。その目的をはっきりとさせた上で、そぎ落としてそぎ落として、「間違っているじゃないか」とか「正確じゃないじゃないか」という批判は甘んじて受け入れるという腹のくくりが必要です。ですが、誤解が生じないように、誤解を招きそうな表現や事柄については、先回りして「そっちじゃない」ということを明確に否定するようにしています。そういうことをやりつつ、伝えたいことの大枠をまず伝えて、質問が出れば細かいところを説明し、時間があれば、枝や葉の部分についても話すようにしています。

-「お金についての知識があれば、知識がないが故に困ったり、追いつめられてしまう人も減るのでは。そんな人に、少しでもお金のことを分かりやすく伝えたいと思う。(木暮)」-

出口: 冒頭のお金などの教育の話に戻りますが、僕は教育とは、その子どもが大人になって1人で生きていくための適当な武器や技術を与えることだと定義しています。そのように定義すると、毎日、お財布に出し入れしているお金は、とても大事な話だと思うのです。生きていくために、好きであっても嫌いであっても、拒否することができないことなので、お金についての基礎知識があるだけで、社会はずいぶん良くなるような気がします。

木暮: そう思います。そして、20代の若いうちに、もっと言うと、社会に出る前に、勉強するべきなのでしょう。社会に出る前に知っておかないと、後で苦労してしまうので。そのためにも、お金に関する本は昔から世の中に出したかったのです。でも、説教臭くなりがちなものなので、漫画を使った『カイジ「命より重い!」お金の話』が出来上がったのです。マンガ『カイジ』は本当に男子向けなので、これからほっといたらやんちゃになりそうな、金遣いが荒くなりそうな20代男子に、このままだとカイジになってしまうよ、という兄貴から弟に、という気持ちで書きました。

出口: 僕の寮先輩と似た役割を果たしそうですね。

木暮: そうかもしれません。今までお金に接して来なかった人に対して、お金についての知識を伝えていける1つの機会なので、これほど有意義なことはないと考えています。

出口: これからも、たくさんの人に、お金というとても大事なものに対しての知識をわかりやすく伝え続けてください。今日はありがとうございました。

木暮: ありがとうございました。





木暮 太一(こぐれたいち)さんプロフィール

経済ジャーナリスト、一般社団法人 教育コミュニケーション協会 代表理事
慶應義塾大学 経済学部を卒業後、富士フイルム、サイバーエージェント、リクルートを経て独立。学生時代から難しいことを簡単に説明することに定評があり、大学時代に自作した経済学の解説本が学内で爆発的にヒット。現在も経済学部の必読書としてロングセラーに。相手の目線に立った話し方・伝え方が、「実務経験者ならでは」と各方面から高評を博し、現在では、企業・大学・団体向けに多くの講演活動を行っている。

カイジ「命より重い!」お金の話ライフネット生命保険サイトの外へ移動します(新しいウィンドウが開きます)
(サンマーク出版)

伝え方の教科書ライフネット生命保険サイトの外へ移動します(新しいウィンドウが開きます)』(WAVE出版)

など著書多数、累計93万部。

ブログ: 木暮太一のオフィシャルブログライフネット生命保険サイトの外へ移動します(新しいウィンドウが開きます)


  1. >デグチがWatch
  2. :出口の真っ正直インタビュー 木暮 太一(こぐれたいち)編

まずはお気軽にお電話ください

どんなささいなことでもお聞きください。お客さまがご納得いただけるまで経験豊富な保険プランナーがご相談に乗ります。

受付時間:平日9時~22時、土日祝9時~18時(年末年始除く)

カンタン保険料見積り

人生に、大切なことを、わかりやすく。
ライフネット生命保険株式会社

Copyright© 2018 LIFENET INSURANCE COMPANY All rights reserved.