愛読誌(「生命保険経営」78巻3号、2010年5月刊)を読んでいたら、次の記事が目にとまりました。
『ニューヨーク州保険局は保険募集人が受け取る報酬情報を開示する規則案の検討を行ってきた。2009年1月には、「保険募集人報酬開示に関する規則(Producer Compensation Transparency Regulation)」が公表され、意見募集等を踏まえて検討が行われた結果、2010年2月10日に最終的な規則が公布された。
この規則では、保険募集人は募集時に「保険募集人の役割」、「報酬を保険会社から受け取るのかどうか」等を開示することが義務付けられ、購入者が報酬の詳細についてさらに開示を求めた場合は、「保険募集人が得る報酬の種類、金額、源泉」や「保険募集人が提示した他の保険契約を販売した場合に受け取る報酬」等を開示する必要がある。この規則は2011年1月に施行される予定である。』
わが国と並ぶ生命保険大国アメリカでは、生命保険会社は(国法ではなく)州法で規制されていますが、その基準となっているのはニューヨーク州保険法です。ニューヨーク州では2年半をかけて、保険募集人(アメリカでは、わが国とは異なり、乗合代理店が多数を占めています)の消費者に対するベストアドバイス義務を担保する観点から、販売手数料の開示問題を審議してきましたが、このほど、結論が出たようです。
この背景には、販売手数料を開示させないと、いくら(消費者に対する)ベストアドバイス義務を話しても、ついつい保険募集人は、販売手数料の高い商品を優先販売しがちになるという問題意識がありました。アメリカをはじめとする保険先進国では、保険会社と消費者との間の情報の非対称性を少しでも小さくすることが、消費者保護行政の原点となるべきだとの理念があるように見受けられます。わが国では、生命保険に対する情報格差がなかなか縮まらず、販売手数料の大きい商品が良く売れるという風潮が無きにしもあらずですが、生命保険を少しでも良いものにしていくためには、先ず保険会社の方から情報開示を積極的に行っていく姿勢が求められているのではないでしょうか。
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