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デグチがWatch 生命保険業界のオピニオンリーダー・出口治明が、生保について鋭くやさしく語ります!

出口の真っ正直インタビュー 今田 素子(いまだ もとこ) 編

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ライフネット生命 スタッフ

真っ正直インタビューの第21回目は、GIZMODO、ライフハッカー[日本版]、MYLOHASなど、数々の人気のWebメディアを展開するメディアジーン社の代表取締役、今田素子さんです。

出版業界での経験を経て、Webメディアを立ち上げた今田さん。全く違う分野ですが、インターネットを使って業界に新しい風を吹き込もうという思いは、出口と同じではないでしょうか。

他にも、無類の本好きというところやロンドンでの生活を経験しているなど、意外な共通点があり、様々な話題が飛び出しました。

「無料ダウンロードできっと売れ行きが伸びますよ(今田)」

出口(以下、出): 今日、ライフハッカーを拝見していたら、当社の岩瀬の著書を取り上げていただいていてうれしくなりました。

今田(以下、今): はい。岩瀬さんの「著書丸ごと無料ダウンロードライフネット生命保険サイトの外へ移動します(新しいウィンドウが開きます)」は、すごくいい取り組みだと思いましたので、取り上げさせていただきました。

出: この試みについて相談を受けたとき、新しいことは何でもやってみるべきだと背中を押したのですが、正直なところ懐疑的でした。 新書まるごと一冊、無料でウェブからダウンロードしてもらっても、はたしてどれだけの人に読んでもらえるだろうかと。

今: でも、すごい反響ですよね。私もちょうどダウンロードして読み始めたところだったんです。

出: 昨年末に出版して、これまでに3万部近く売れたと聞いていますが、200ページ以上ありますから、ダウンロードされるのはせいぜい数千だろうと思っていました。
それが、開始からわずか3日で1万3千ダウンロード。ライフハッカーを含め、様々なネットメディアで取り上げられたこともあって、その数字がどんどん伸びているんです。これには驚きました。ネットの波及力はすごいなぁと(3月10日時点で、累計4万2千ダウンロード)。

今: きっと、この試みで実際の本の売れ行きが伸びると思いますよ。インフォバーン共同代表の小林が監修した書籍『フリー』がまさにその先駆けです。
『フリー』の場合は、通常の出版が行う新聞などの広告は一切やめて、ウェブでの先行ダウンロードを行いました。最初はどうなるんだろうと、多少不安を持ちながら見守っていましたが、43時間で1万ダウンロードを達成したんです。

出: 43時間ですか!

今: 先着1万ダウンロードまでという煽りの効果もあったのだと思いますが。

「これは!という本に出会うと、電車を降りそこねるほどのめりこんでしまいます(出口)」

出: 出版業界がベースだとうかがいましたが、本はお好きですか。

今: はい。好きな本を見つけてたくさん読みます。乱読といってもいいかもしれません。

出: 僕も活字中毒です。おもしろい本に出会うと止まらなくて、ちょくちょく電車で駅を通過してしまったりしています。今日も声をかけられるまで、駅に着いたのに気づきませんでした。
今田さんはどうやって読む本を選ばれるのですか?

今: 私はまわりの友人たちから勧められたものを読むことが多いですね。これがいいよ、と聞くと、Amazonでまとめ買いしてしまったりします。また、最近では、ネット上の書評とかも参考にしています。

出: 僕も書評ですね。日経、朝日、読売の3紙の書評で取り上げられているものをよく読んでいます。新聞の書評の特長は、自他ともに読書好きを認める著名人が実名で書いているという点です。
ですから、みなさん「つまらない本を紹介したら恥ずかしい、いい本を紹介しなきゃ」という思いがはたらくのではないでしょうか?ミシュランのレストランガイドより精度は高いと僕は思っています。

今: 確かにそうですね。

出: サラリーマンになってからは、おそらく各紙の書評で取り上げられた本の半分くらい読んでいると思います。 先日は、どうしたら賢くなれますか?と学生に訪ねられたので、
「新聞の書評に取り上げられた本を少なくとも週2冊読んだら、1年間で2倍賢くなれる」 なんて答えたりしました。

今: 確かに、それだけ読んだら賢くなりそうですね。
ライフハッカーなどのWebメディアで本を紹介すると、かなりの数が売れるんですよ。だから信頼がおける人のフィルターをかけた、ネット上の書評サービスがあったらいいな、なんて考えています。

出: それは素敵なアイデアです。大新聞がやってきたことをネットに置き換えるということですね。

今: 誰が薦めているのか、という点が大事なのは新聞の書評と同じです。ただ、ネットの方が即時性があって、購買行動にもスムーズに繋がるんじゃないかと考えています。

「外だけでなく、中から美しくなりたい、そんな方に向けた情報発信を続けています(今田)」

出: 「MYLOHAS」でロハスという切り口のメディアを始められたきっかけは何ですか?

今: 出版業界に入って、ずっと男性向けのメディアばかり担当していたので、いつか女性に向けた情報発信をしたいという思いがありました。それで何が良いかと考えたときに、ロハスという切り口にたどり着いたんです。
女性は年齢を重ねたり、子どもができたりすると、洋服とか化粧品とか、外面を美しくすることに注力していたそれまでの自分を見直す人が多いと思います。関心をもつ対象が変化して、お金の使い方も変わってきます。内から美しく、ずっと健康でいられるものを食べたいとか、子どものために将来に良い環境を残したいとか、子どもには良いものを食べさせたいとか。そういった情報を求めている女性向けに情報発信がしたいと思ったんです。

出: 僕がロハスに興味を持ったのは、90年代初めにロンドンで勤務していた時です。 ちょうどその頃からスローフードとか、ロハスとかのムーブメントが始まったんです。 当時は、よくヨーロッパ中を旅していましたが、北イタリアの田舎のレストランに行くと、よくカタツムリのマークが掲げられていました。
このマークはなんだろうと尋ねてみると、スローフード協会のロゴだったんですね。カタツムリのようにゆっくり食事をしようという発想です。

今: そうなんですか。ちょうど私も同じ頃、ロンドンのサザビーズのアートスクールで勉強していたんですよ。私もロンドンにいたときは、ヨーロッパの食事やライフスタイルなど、いろいろとまどろっこしいと思うこともありましたが、帰ってきて、日本の生活が間違っていたんだと、気付かされました。
英国はよく食事が美味しくないと言われますが、そんなことはない。ゆっくり食べれば、何でもすごく美味しい。

出: 確かに野菜など生でゆっくりかんで食べると本当においしい。僕はそれ以来、サラダにはドレッシングを一切かけないんですよ。

今: 実家の京都に住んでいた頃は、近所の畑でとれた頂き物の野菜や、リアカーで売りに来るものを食べていました。それが東京に出てきてびっくり。スーパーで買って食べた野菜は全く味がしない気がしました。京都で食べた野菜はすごく新鮮だったんだと、後になって気づきました。

出: 何事も早くて、美味しくて、便利になっていますが、それだけでは面白く無いですよね。スローフードのように土のついた大根をかじる生活があっても良いと思います。

今: 今では、マイロハスに会員登録していただいている方だけで9万人以上います。それもアフィリエイトなどお金を払って集めた会員ではありません。ロハスに関する情報に積極的にアクセスしたい、先を見て良いものを選びたいという方がそれだけ増えているということだと思います。

「出版も生命保険も守られているがゆえに、一般の人に届きにくくなっている(今田)」

今: 出口さんはどうして生命保険会社をはじめようと思ったんですか。

出: 保険会社を作ろうという唐突な話でしたが、考えるより先に「いいですよ」と即答していました。還暦を前にゼロから生命保険会社を作る機会に恵まれた。そんなチャンスを与えられる人なんてあまりいませんよね。いわば宝くじにあたったようなもの。
そうであれば、徹底的に理想的な生命保険会社を作らなきゃ、宝くじにあたらなかった人に申し訳ないという気持ちで始めました。

今: 私はライフネット生命のクチコミで本当に良いものを広げていこうというスタンスが、すごくいいと思っています。
多くの人がCMなど広告に対するリテラシーが高くなって、どうせ宣伝だからと思うようになってきていますよね。

出: そうですね。でも、クチコミで広げていくのはなかなか大変で、試行錯誤の毎日です。

今: サイトを拝見するととてもユニークだと感じました。会社自体がメディアになって、情報を発信されているように思えます。

出: そうですね。私も岩瀬もふくめて、社員全員でクチコミを広げるように頑張っています。
ライフネット生命は、既存の保険業界とは一線を画して、ネットで、シンプルな保険を売っていくと決めています。
しかし、インターネットで生命保険を売ったことがある人はどこにもいません。だから、保険の経験がない、BtoCで実績をあげた人がいいと思い、スターバックスを立ち上げた経歴のある中田華寿子にマーケティングを任せています。また、そのスタッフはみな20代、30代で、保険業界の経験がない人がほとんどです。こんな布陣の生命保険会社はライフネット生命だけですが。

今: そうなんですね。でも、その方針は100%正しいと思います。

出: そうおっしゃっていただけると、心強いです。

今: 生命保険もそうだと思いますが、出版も人々の生活には必要なモノなのに、とても参入障壁が高い業界だと思います。守られているがために一般の人にだんだん届きにくくなってきているんです。
私は紙が廃れていくなかで、出版のマインドをインターネットでどうやって表現し、事業化していったら良いかと考えてこの会社を作りました。
ウェブを使って情報を伝えるメディアを作ったり、ネットを活用して本がうまく売れていく仕組みを作っていきたいんです。だから、業界を変えていこうというライフネット生命の目指しているところにはすごく共感を覚えます。

出: 業界は違いますが、インターネットを使って社会を良い方向にもっていきたいという思いは、まったく同じですね。

今: はい。ライフネット生命の今後にすごく期待しています。

出: その期待にこたえられるよう頑張ります。本日はどうもありがとうございました。





今田 素子(いまだ もとこ)さんプロフィール

株式会社メディアジーンライフネット生命保険サイトの外へ移動します(新しいウィンドウが開きます)代表取締役
株式会社インフォバーンライフネット生命保険サイトの外へ移動します(新しいウィンドウが開きます)代表取締役

同朋舎出版で海外版書籍、雑誌の編集を行う。

雑誌「ワイアード」日本版のビジネス・マネージャーを務めたのち、1998年インフォバーンを設立。

サイゾー、GIZMODO、MYLOHASなど数々の雑誌およびウェブメディア、ポータルサイト、ネット上のプロモーションサイト制作やプロデュースに携わる

2008年 オリジナルメディアの運営を行う部門をインフォバーンより分社化し、メディアジーン設立。代表取締役に就任。

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