ライフネット生命保険
デグチがWatch 生命保険業界のオピニオンリーダー・出口治明が、生保について鋭くやさしく語ります!

出口の真っ正直インタビュー中野 晴啓(なかの はるひろ) 編

投稿者:
出口治明

真っ正直インタビューの第11回目は、セゾン投信株式会社 代表取締役社長の中野晴啓さんです。昨年、純資産総額200億円を突破し、サブプライムショックもリーマン・ショックもどこ吹く風と、勢いが続くセゾン投信。ネットをチャネルに生活者のための長期投資を提唱する中野さんと、共感が共感を呼ぶ対談となりました。

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- 「リーマン・ショック以降も流入が続くめずらしいファンド(中野)」-

中野(以下、中) : 社員はだいたい20人くらいで、見ていただいたとおり小さなスペースでこぢんまりとやっています。ちょうど今日(2009年3月31日)が2回目の決算日なんです。

出口(以下、出) : そうですか、実は、ライフネット生命は今日が開業後初めての決算日となります。開業が2008年の5月18日でしたから。第1期目の決算です。

中 : 記念すべき日にお会いできて光栄です。

出 : こちらこそよろしくお願いいたします。今すごく経済の状況が厳しいですよね。特に有価証券投資ということでは、株も下がり、為替も非常に不安定です。お客さまの動向はいかがですか?

中 : 投信の業界全体では、完全な流出超なんですよ。新しいファンドを設定して、なんとかそちらに少しずつでも…というふうに埋め合わせているというのが業界の現状です。一方で当社のファンドはコンスタントに毎月資金流入が続いています。

出 : 去年の9月にリーマン・ショックがありましたよね。9月以降も毎月増えていらっしゃるんですか?

中 : 金額としては毎月ちゃんと入ってくるんですが、順調な環境のときに比べると入ってくる金額は減ってはいます。ただ、流入が続いているので、今ちょうど資産が202億(2009年3月30日時点)でして、非常にめずらしいファンドになっています。

出 : それは素晴らしいですね。実はわたくしどもも、おかげさまで開業以来保有契約は毎月増えておりまして、この3月は過去最高の新契約数でした。去年の12月に契約数が跳ね上がったのですが、それは、手数料を開示したのがきっかけでライフネット生命はすごくオープンな会社だとメディアに取り上げられたからだと思います。また、3月には「かぞくへの保険」が週刊ダイヤモンドでプロが選ぶ「入りたい保険」の死亡保障部門第1位※1になりまして、それが相当なバネになったようです。

中 : そういう少しずつの積み重ねって大事ですよね。わたくしどもも、最初の勢いがついたのはやはりメディアが取り上げてくれまして、ちゃんとまじめにやっていることやメッセージをメディアが取り上げてくれれば、それ以上に良い広告宣伝はないと思っています。

出 : メディア対策などはどのようにされているんですか?

中 : がちがちに練っているというわけではなく、お金もないですからコンサルティングも入れていませんし、自分のネットワークの中でできる限りの種をまいて、それを2年かけて一生懸命広げてきているところです。

出 : わたくしどもの知名度は全国レベルではまだ6~7%くらいですが、広告宣伝にお金をかければ保険料が高くなってしまうので、お金をかけずに知名度を上げるということがライフネット生命のチャレンジです。カードをお会いした方全員にお渡ししたり、ネット上でバナーを貼ってもらうようお願いをしたり、知恵を絞っていろいろ工夫しています。

中 : ネット上でハートを伝えるというのはなかなか難しいところではありますよね。弊社もそうですし、ライフネットさんもそうですけど、ネットでの販売ビジネスを展開していると、ともすれば、なかなかこちらの気持ちがお客さまに伝わらない、と。でも、気持ちや体温を伝えるというのは非常に大事なことだと思っています。対面のビジネスの上に、ネットでのビジネスが成り立つと僕は思っていますから、これ(カードを見ながら)は本当に、出口社長の背中を見ているようで、共感します。デグチイズムの象徴的なものですね。

出 : 理想を言えば、本当は全国1億2千万の人にお会いしてこのカードを直接お渡ししたい、という気持ちはあるんですけど、限られた一生の中では不可能ですよね。だけど、できる限りリアルのカード、バーチャルのバナー、と、アプローチの方法を変えて、少しでも多くの人に会社の体温を伝えたいと思っています。

中 : 僕も、澤上さん(澤上 篤人(さわかみ あつと)氏:さわかみ投信株式会社代表取締役、さわかみ合同会社代表)に教えられたことでもあるのですが、とにかく時間があれば一人でもどんどん会って話をする、と。それを続けることが大事だと。

出 : 私も澤上さんにお会いして、昼はとにかく人に会い、夜は本を書いて思いを伝えなさいと言われたので、実は4月にすごく恥ずかしいんですけど、ライフネットの立ち上げ記※2を本として出しました。これも、元は澤上さんがどういう気持ちでこの会社を作ったかを本に書いて出しなさい、とおっしゃられたので。そういう意味では、わたしたちは共に澤上さんの教え子ですね。

中 : その立ち位置というか、出口社長のスタンスが信頼の一番の源だと思います。ネットや本で、ライフネット生命の目的や、なぜ、保険料を半額にしたいと思ったのか、という大事なところを伝えることで、お客さまは安心しますし、納得、共感しますよね。心から共感できると思うところと長くお付き合いしたいと思うのは自然なことですよね。

- 「『指輪物語』の旅の仲間みたいなイメージ(出口)」 -

出 : 先日、湯浅誠さんの『反貧困』という本を読み返したのですが、本当に今の若い人たちはすごく所得が低いですよね。65歳や70歳以上の人たちよりも20代30代の人たちの一人あたりの所得が低い。この現状で本当に子育て世代が赤ちゃんを産めるのだろうか、と。本当に子育てができるんだろうか、という思いが原点にあります。だから保険料を半分にするから安心して赤ちゃんを産んでほしいと思います。保険料を半分にするためには、インターネットを使うしかないということで、ネットは手段なんですよね。ネットは手段で目的はこうなんだ、ということを、ウェブサイトでもっとはっきり打ち出していかないといけません。僕たちの体温を伝えていかないと、というのが大きな課題です。

中 : まったく同じ悩みを抱えています。セゾン投信も「おすまし」と言われることが多く、熱い思いを持っているんですけどネットになると格好をつけているんじゃないかな、と思われがちです。

出 : うちももっと会社の立ち位置や、20代30代のために保険料を半分にしたとか、そういうところを出していかないと、応援のしがいがないよとお客さまからも指摘がありまして。

中 : ともすれば単なるネットビジネスの会社、になってしまうんですよね。かっこいいことが悪いじゃなくて、愚直な思いや熱い思いが一目でわかるように、会社の存在意義がわかるように、そういうサイトを作らないといけないですよね。

出 : これだけ有価証券あるいは為替を含む状況が厳しい中では、普通は投信の残高が減るのが常識なのに、なぜ御社は増え続けているのですか?

中 : お金の質にこだわった運用会社なんですよ。今までの運用というと、すぐに儲けを出す、結果を出す、明日儲かるのはどれだ!という世界だったわけです。ですが、21世紀の社会、日本社会をしっかりと自立して生きていくために時間をかけてゆっくりがんばる投資、それが弊社の投資なんです。これが本当の長期投資であり、そういったお金だけを集めたファンドを作るということや、みんなで長期にわたってがんばるファンドなのですぐに出ていっちゃうようなお金は要りません!というくらいの強いメッセージを出しています。これだけの経済的な大暴風雨の中、出ていってしまう人はゼロではありませんが、がんばっていられるのは、弊社のそうしたメッセージに賛同してくれるお客さまが集まってきてくれているからですよね。

出 : 『指輪物語』の旅の仲間みたいなイメージですね。毎月払われるのと一時金として払われるのと、どちらが多いのですか?

中 : すごく特徴的でして、7割が毎月の積み立てという、前代未聞の投資信託ができあがっています。

出 : 7割が旅の仲間なんですね。

中 : ライフネット生命と同じで、われわれも、これからどうやって経済的に自立を果たしたらいいかと考える現役の世代を支えていきたいと思っています。

出 : 2年間で200億というのはすごい数字ですが、どうやってお客さまを集められたのですか?

中 : 最初に入られたお客さまが口コミで伝えてくださっています。対面を大事にしていて、セミナーを毎週開催していますので、結構お客さまもリピートしてくださるんですよね。ネットの効果も絶大だと思うのですが、その前提としてフェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーションをどれだけ大事にしてやっていくか、があると思っています。最初からネットできれいにやろうとすると、おそらく感情や気持ちは伝わっていないでしょうね。

出 : リアルとバーチャルの組み合わせだと思うのですが、ネットでの差別化はどうやっていらっしゃるのですか?

中 : ネットブロガーのような個人投資家が広めてくださったというのが、他の投信とは大きく違うところだと思います。

出 : そうすると、ネットでお店を開かれて、リアルのセミナーもやられて、7割の旅の仲間がブログにいろいろ書いてくださって…ということなんですね。

中 : まさにそうですね。ですから、投信を探していた方が、ブログを読んでセゾン投信を知るというケースが大変多いです。

- 「出口社長は完璧な長期投資家(中野)」-

出 : 投信も保険も未来のお金にかかわるビジネスですよね。基本的にはポートフォリオだと思うんですけど、預金という形で元本を保全したまま持っておくのか、自分自身へ投資をするのか、それから証券投資であったりとか、さまざまなお金の持ち方がありますよね。ずっと前に先輩から言われて正しいなと思ったことがあるのですが、やはりある程度、たとえば100万円とか、それくらいのお金ができるまでは預金をしろ、と。そして株をやる時は、預金や手持ちのお金からは出すな、と。古典的な財産3分法ですが、まったくそのとおりだと思うんですよね。

中 : おっしゃるとおりですね、それを現状にあてはめると、預金の部分は何も生んでくれないですから、むしろ目減りしていくので、その代わりがしっかりとした財産形成のできる投信なんですよね。これを長い期間をかけて雪だるまのように増やしていくのが、長期投資であると。

出 : 僕はずいぶん昔、少し株をやっていた時期もあったのですが、そのときはBuy and forget, sell and forget で、買ったら株価はもう見ない、しばらく忘れておいて景気がよくなったら株価を見て、それでよかったら売ると。で、売ったらもう見ない、と。このやり方を、皆さんにもおすすめしているんですけどね。でも、なかなか難しいですが。

中 : まさに完璧な長期投資家ですね。僕もお客さまにお話しているのは「ゆったり・のんびり」なんです。相場を毎日あくせく見たって、自分の目指すところって遥か彼方ですし、下がっているのをみてグズグズするのも時間の無駄ですし。ですから、出口社長はそれを実践されてきた究極の長期投資家でいらっしゃると思います。

出 : 僕自身は、どちらかというとお金は使うことに興味があって、貯めることにはほとんど興味がないんです。健康で何をやって働いてもいいという覚悟さえあれば、食べるだけのお金は稼げますよね。どんな仕事でもできると考えれば、後は健康が第一ですよね。健康であればどんな仕事でもできます。

中 : かっこいい人生を送られていますね。

ライフネット生命の 紹介カードを説明する出口


出 : かっこよくはないんですけど、お金は、その人の人生観に応じて保険とか投信とか、預金とか自己投資とか、を選ぶものですよね。僕は若い人には自己投資が一番良いと思うんです。

中 : 自己投資ほど高いリターンを期待できるものはないですよ。無限大のリターンを期待できます。

出 : ですから、結局はいろんなポートフォリオを組み合わせることだと思うんです。僕は、保険というのはやっぱり、ロスになるリスクをヘッジするためのひとつの金融手段なので、必要最小限でいいんじゃないか、と。もちろん余裕がある方は、高い保険金をかけていただいてもいいんですけど、必要最小限で人生のリスクをカバーできる生命保険をつくるのが保険会社だと思っているんです。

中 : その立ち位置が、世の中の変化を先導する可能性を秘めていらっしゃると思います、既存の業界がやろうとしなかったことですから。生活者として思うのは、出口社長は至極まっとうなことをおっしゃられているなと。それが圧倒的な差別化になっていて、僕らとまったく同じだと思います。正しいことをやっているんだと自分たちだけで言っていてもだめで、間違った世界と戦っていかなきゃならないわけですよね。ただ、いくら強い思いでも1本の矢ではなかなか通りませんから、一緒に2本、3本、何十本と携えて…

出 : 矢を集めて、世の中を少しずつ変えたいですよね。

中 : 声を一緒にあげたいですよね。わたくしどもは財産作りという点で、

出 : われわれは保障の提供という形で、

中 : ぜひ、世の中を変えていきましょう。




中野 晴啓(なかのはるひろ)さん プロフィール

セゾン投信株式会社 代表取締役社長

1987年明治大学商学部卒業、西武クレジット(現クレディセゾン)入社。関連会社資金運用部にて自己勘定で債券のポートフォリオ運用に従事後、投資顧問事業を立上げ、海外契約資産の運用助言を行う。さわかみ投信、バンガードグループとの提携に向け粘り強く交渉を続け、2006年セゾン投信を設立、07年3月に両社のファンドを組入れた投信2本を設定。07年4月より現職。

※1 出典 「週刊ダイヤモンド」2009年3月14日号特大号 特集企画「保険のムダ 総点検」

外部紹介サイトはこちら(Amazon.co.jp)ライフネット生命保険サイトの外へ移動します(新しいウィンドウが開きます)

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