ライフネット生命保険
デグチがWatch 生命保険業界のオピニオンリーダー・出口治明が、生保について鋭くやさしく語ります!

岩瀬に言わせて! 米倉誠一郎先生編

投稿者:
岩瀬大輔

出口の真っ正直対談に対抗?して、弊社 副社長の岩瀬も言いたくなった!?岩瀬大輔の対談企画「岩瀬に言わせて!」第1回目のお相手は、一橋大学イノベーション研究センター長・教授 米倉誠一郎先生。果たして、どんな対談になるのでしょうか・・・。

岩瀬に言わせて

岩 : 先生と初めてお会いしたのは、僕がリップルウッド・ホールディングスという投資ファンドで働いていた頃。先生がアドバイザーだったので会いに行くことができたのですが、非常に温かく迎えてくださったのが記憶に残っています。当時は外資系投資ファンドに対して、どのような印象を抱かれていましたか。

米 : 僕は当時、リップルウッドのアドバイザーになった頃で、常々、日本の経営者は株主や顧客のことを十分に考えていないと感じていた。だから、日本の企業のポテンシャルを評価して、良いマネジメントさえ入れればよくなるんだというリップルウッドのコンセプトは、企業の存在価値や生産価値、将来の価値を本気で考えさせる契機として、歓迎していたのです。

イノベーションを必要とする日本の金融界

岩 : 先生はアントレプレナーシップとかイノベーションがご専門ですが、コリンズ(リップルウッドのCEO)も一人のアントレプレナーだったと思うのですよね。そういった意味で、金融界でアントレプレナーが果たしうる役割をどうお考えですか?

米 : それは大きいですよ。日本の民間金融資産は1500兆円。その10%でも150兆円でしょ。国家予算の倍だよね。これを活性化してWin-Winゲームを作ってもらわないと。日本の銀行は大きくなったけど、イノベーションは何もやっていない。アメリカではATMが24時間365日開いているのは常識。金利がどんどん変動する中で、顧客により良いサービスを提供してきたわけですよ。日本じゃそういうイノベーションがまだ始まっていない。新商品開発力も弱いし。保険も同じですね。サービスを受ける側も、もっとよいサービスを受ける権利があるということを、全然意識しないできた。

岩 : とはいえ、金融は信用ビジネスだから、どれだけよいサービスを提供しても、ベンチャーは新規ゆえの高いハ-ドルがあると思うのですが。

米倉先生

米 : それはYesアンドNoですよ。ホンダだって最初に「車」を作った時には、「二輪メーカーに車なんてできるわけがない」と言われた。通産省以下、皆、本気にしていなかった。だから、信用の話は金融に限ってではないですよ。
私の先輩に吹野さんという方がいるのですが、10何年前にデルの社長をやると言った。10数年前だと、「どこそれ?」って感じでしょう。え、「何か出る?」とか言って大爆笑した。そして、彼がしばらくたって、やっぱりダメかもしれない、と言うのです。どうしてかと聞くと、コンピュータの購入について企業向けにアンケートをとったら、「新しい企業と取引するか」の回答はどれも「NO」だったと。
でも、結果、今やシェアの2位とか3位に入っているでしょ。これなんですよ。サービスが良くて、安くて品質の高い商品を作れば、日本のマーケットでも受け入れられるわけです。まぁ僕の不徳を恥じますけど、当時は吹野さんに言いましたよ、「日本には、東芝・NEC・富士通・松下・ソニー・日立・・・たくさんメーカーがあるから、デルなんて買うわけないでしょ」と。

岩 : でも歴史が証明した。

米 : そう。金融でも、当然難しいけれども、でもチャンスなんですよ。我々は気づいた、「今の生命保険はどこかおかしい」って。給料が上がらないのに、物価は上がっている、生命保険は高い、と。これがね、皆がダメだって言っているところが一番チャンスなわけ。逆に、皆がネット生保だ!って言うようになっちゃったらダメ。

岩 : 僕たちがやろうとしていることは、大げさに言うと、「個のエンパワーメント(empowerment)」だと思っています。今までは、売り手と買い手のあいだに大きな情報格差があり、売り手が超過利潤を取っていたところに、個人にプロの情報とツールを提供することで、交渉力を取り戻したいのですよ。それは、グーグルに代表される、大きな、大きなネットの流れに即していると思っています。

米 : 金融とか生保って、勤務先として楽でサラリー高いのは、誰のおかげ?利用者ですよね。この間、ある電力会社に行ったらすごいビルが建ってて。僕は開口一番、「電力会社が儲かってるってことは、日本の国際競争力を削いでいるってことですからね」と言ってしまった。

岩 : 言っちゃったんですね(笑)。

米 : そう。(笑)やな顔されましたけど。

最初に荒波に飛び込むペンギンであれ

岩 : では、ライフネット生命が真のイノベーターとして目指すべき方向性について、アドバイスをお願いします。

岩瀬に言わせて

米 : ファーストペンギンという言葉があるのだけど、ファーストペンギンって波が打ち寄せてきた時に、一番はじめに氷に飛び込むペンギンのことなんです。なんでもファーストペンギンにならないといけない。最初に荒波に飛び込んで、ガンガン泳ぐ。アントレプレナーってこれなのですよ。確かに難しい。失敗するかもしれない。でも失敗するなら早くしないと。そして転んだやつを笑っちゃいけないというのが、今の日本では大事。ずっと座ってるやつは、転びすらしないんだから。
ライフネット生命には、この金融業界で世界最高級の頭脳と戦うんだ、あるいは、ニューパラダイムをアジアに展開するんだといった、フロンティアを求めてほしいです。アメリカの後追いはもうダメ。ウォールストリートモデルは、放っといても皆がやるから。それよりも日本やアジアのモデルを追及すべき。貯蓄―産業資本転換のモデルとか、リテールだけどプロフィットシェアリングとかを追求してほしい。

岩 : 実際、日本の生保はそのようなアジアモデルの模範になっていたわけですよね。戦後の高度成長の時代に、貯蓄を奨励して、大蔵省の指導のもとで長期の産業融資を行ってきた。
生保って、わが国の社会経済の象徴だったと思うのです。一億総中流のサラリーマン階層が誕生したなか、生保のセールスレディが義理人情プレゼントで攻勢をかけて貯蓄をさせて、バブル時は世界展開をして、「ザ・セイホ」の名を世界にとどろかせて、バブル後は撤退して、内向きになってしまっている。日本の良い所も悪い所も体現していますよね。大げさに言えば、生保業界を変えることは、すなわち日本を変えること、だと思っています。

米 : いいですね。本当その通りです。情けないのは今、金融機関がみんな内向きになっていること。それは戦略がなくて、いつも後追いだから。自分たちが強い独自のモデルを持っていけば、打って出られる。一億総中流は悪いモデルじゃなかった。以前八城さん(注:新生銀行会長)とジョン・リード(注:シティバンク元CEO)と会った時にジョンが言ったのは、日本の都市における清潔感と安全性があるならば、日本の高物価は安いものだ、と。
確かにこの価値観はありだと思いました。今はそれも壊れてきたわけですけど(笑)、ただ、努力をする人たち(ファーストペンギン)にはもっと利潤をあげないと飛び込まないのでしょうね。金権主義になれとは言わないけど、社会の称賛をもっと与えるべき。

岩 : それがついつい非難されがちだと。元気ないですよね。骨太のベンチャーが出づらいかなと。

米 : そう。ホリエモン以来ね(笑)。でも孫正義さんはえらい。三木谷君も頑張ってる。巨人とかライオンズに子供が憧れたように、ソフトバンクとか楽天とかが憧れになればいい。特に、孫さんはすごい。どんなに打たれても、ソフトバンクは、敵はNTTだと頑張っている。今の時代、もはやベンチャーが社会のインフラを作っているんですね。電話だって学生はだいたいソフトバンクでしょ。今にライフネットも、「えっ生命保険、ライフネットじゃないの?」って時代が来るかも。

目指すべきは、イワセニゼーション!?

岩瀬

岩 : 先生から見られて、僕が目指すべきロールモデルって誰でしょうか。

米 : JPモルガンだね。JPモルガンの名前を文字って、モーガニゼーションって言葉が生まれたんだよね。新聞でモーガニゼーションっていうと、産業の大再編ってことを意味するようになったんだよ。それぐらいの気概で頑張って欲しいな。イワセニゼーションとか(笑)。

岩 : なるほど(笑)。思っていたより、ずっとずっと大きく考えて。アジアなりに進出・・・。

米 : そうだよ。小さく考えてちゃダメ。アジアに打って出るんだよ。ベトナムに行った時に、郵便貯金制度って素晴らしいよって言ったんですよ。郵便局制度を作らなきゃならないですけどね。でもそうやって個人から資金集めて産業に投資しろと。発展モデルとしてすごくいいですよ。生保に入ってセーフティネットを作ることは、これからアジア全体に必要。

岩 : 経済成長に応じて、衣食住が足りたら次は生保と。特にアジアでも中国はすごく広いから、そこで代理店網を作るのは非常に困難。だから、固定電話網の構築を飛ばして携帯電話が普及したように、代理店網や人海戦術を飛ばして、モバイルやネットでの金融サービスを普及させるのはありかなと、考えています。

米 : そうそう。この間山東省に行ったら、そこだけで人口1億2千万人いるわけ。四川の地震でも5千5百万の方が被害に遭われた、ということは、日本人の半分ですよ。日本とはスケールが違う。中国全土じゃなく省単位でも、そこで信用を築けば絶対いける。

岩 : もはや中国市場は欧米に荒らされてる気がしますが・・・。

米 : それは富裕層。もっと中流向けのリテールならまだまだですよ。

岩 : ある方に言われたのですが、今までの金融ビジネスって富裕層をターゲットにするか、もしくは経済的に恵まれていない人に向けたものか、両極端しかない。本当に中流層に向けたものって、充実してなかったですよね。

米 : 最近のニュースでいうと、小売は全部ダメだけど、ユニクロは伸びてる。一番のコンセプトである「洋服は部品で、組み合わせるもの」という考えが浸透した。考え方自体が支持されている。選べることが大事。それが、中流層の人たちがみんな欲しがるものだと思う。

岩 : ライフネットはユニクロに似ていると思います。最低限のものを選べて、シンプル。

米 : お金持ちがユニクロを着ていると、僕はうれしくなる。流行やブランドではなく、自分で自分の生活をデザインしているのだろうなと感じるから。この前、ストレス・マネジメントっていうテーマで取材されたんだけど、ストレスを感じる最大の要因は、僕の場合、自分の時間、自分の人生を自分でコントロールできていない時なんですね。

岩 : それは個人的な幸福につながるという点で、服装でも、金融商品でもそうだと。

米 : そう。自分でえらべることが大切。豊かさってそういうこと。

岩 : 我々も、自分で選んでいただくことのお手伝いがしたいという点で共通です。そういう意味では時流に乗ってるのかな。

米 : だからデルも売れてるわけよね。カスタマイズできるから。ポケットに100万円あっても、フレンチしか食えないならそれは豊かじゃない。今日はたこ焼き食って、明日フレンチ食えるっていうのが重要。そういうところに訴求すべき、ライフネットも。頑張ってね。

岩 : 最後に、先生、今、生命保険にお入りですか?

米倉先生と岩瀬

米 : うん。前に岩瀬さんに聞かれた時によくわからなくて反省したの。就職した時だから27年前。先輩に、ある保険会社の商品に入れって言われて、セールスレディに説明されて、入って、でもそれっきり。その後、なんだか見直さないと支払っている保険料、高いんじゃないかって。それからちゃんと調べなきゃって思っていたのにそのまま・・・。

岩 : 今までどういうものにいくら払ったとかおわかりですか?

米 : (記憶を辿りながら)年間35万とか?月々5万だったかな?死ぬと一億円とか…?うーん、僕もライフネット入るから。今のやつはやめて入ればいいの(笑)?

岩 : 申し込んでいただいて審査OKが出たら、今のはやめて頂いて構いません!(笑)

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こんにちは。今回も楽しく拝読いたしました。

私は、中国で生活して2年半が経過しましたが、中国人は一部の富裕層を除いて、まだまだ生命保険が買えるほど裕福ではないと感じています。老いたら子が養う、或いは親戚同士で助け合う、という考えが都市部でもスタンダードであり、生命保険を以って以後の保障を確保するという考え方は、まだまだ浸透していません。

しかし、一人っ子が増え、離婚率が上がっている今、自分の子に頼れるのは果たしていつまでだろうかと、日本人の目から見ても心配になります。

中国13億人の大部分を占める中流層の人々が安心して老後を迎えられるよう、その手段のひとつとして、生命保険が活用される世の中が来ればいいなと、日々思っております。そして、御社がそのパイオニア的存在であって欲しい、と密かに願っております。

投稿者:
mingzi
投稿日時:
2008年08月05日 14:40

コメントありがとうございます!
まだ、国内でも足元ままならない当社が、海外進出を語るのは早すぎるのかも知れませんが、積極的にチャレンジして行きたいと考えています。
引き続き、宜しくお願い致します。

投稿者:
岩瀬大輔
投稿日時:
2008年08月06日 11:33

自分の生活を選びデザインすること、自分の人生をコントロールできていることが豊かさ。しびれました。すごく共感します。
僕は社会人一年目です。貯蓄のない自分が親から経済的に自立していると胸を張って言うには、万が一のことも考えて保険に入っている必要があると思いました。証券会社に入った自分は勧められるまま関係会社の保険に入ろうか悩んでいました。しかし自分にとって必要な保障内容と妥当な価格を具体的なイメージをもって把握できていないままに、用意されたプランの中から選ぶことにはどうしても抵抗があったので、ネットで情報を集めたところ御社を見つけました。出口社長のインタビューや本、サイトのコンテンツなどから、嘘偽りなく社会に本当に価値あるサービスを提供しようという気概に溢れていると感じました。
今後とも加入者として末永くお付き合いしたいと存じます。応援しています。

投稿者:
chigira
投稿日時:
2008年08月10日 00:16
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